需給を読むためのニュースの読み方:稼ぐ人の株投資5 ざわざわざわ氏からの気付き

TOPIX指数組み入れ日中リターン

ふたたび「稼ぐ人の株投資 億越えの方程式5」の中で興味深かった記述からの気付き。


証券ディーラー一筋で23年間もの間結果を出しながら生き残り、今は専業ディーラーをされているざわざわざわ氏(以下ざわ氏)。

彼の記述を需給視点で読み込むことで、新しい発見があった。


自分は日経新聞も取ってないし、ニュースもあまり見ない。


人間が同時に処理できる情報の塊の数は最大で7チャンクと言われ、常人であれば5チャンクが限界だろう。

5入力1出力のニューラルネットワークと表現すればよいだろうか。


自分のシステムのリターンに対して説明力の高いファクターを列挙すると、必須のファクターだけで5チャンクを使い切ってしまう。

説明力が読めない不確実性の高いチャンクをキャパを超えて入力することでニューラルネットワークの処理能力を落とすことは得策ではないと考える。


とはいえ、この考え方もまた概念拡張の妨げとなるため、常に入れ替え戦を行うイメージで、第五位のファクターを超える新たなファクターを、常にアンテナを張って探索する意識も持ち続けたい。


そのアンテナに引っかかったのが、ざわ氏が提唱する“ニュースの相対的インパクトによる需給判別”という考え方だった。


記事に書かれてある例。

9月16日、世界初のiPS細胞の臨床手術実施のニュースが流れた。

通常であれば、バイオ関連銘柄に大きな買いが入るだろう。


同時期にアリババの公開価格の仮条件引き上げのニュースが飛び込んできた。

これも通常であれば、ソフトバンクに大きな買いが入ると考えられる。


しかし、ふたつのインパクトの強いニュースが同時期にリリースされたため、流入する資金が分散し、結果、バイオ関連株が想定よりも安く寄りついた。


ざわ氏はこの状況を長年の経験と勘で感じ取り、本来であればデイトレで手がけるはずのバイオ関連株を見送ったという。


自分のようなスイング主体のトレードであれば、むしろ好機ととらえ、安寄りしたバイオ関連株に買いを入れるだろうとイメージした。


以前のほいみん氏の記事でも、12月のような同時期にIPOが重なる状況では資金が分散するため、安寄りしやすいと書かれてあった。

抽象思考で考えずとも、両者は本質的に同じ需給の緩みにベットしていることは自明。

そういえばトレードスクールでも、プロのトレーダーがこの考え方を説々と語っていたのを思い出す。


ざわ氏の記事から即ニュースによる需給の緩みを取り入れるわけではないが、“資金分散による需給の緩み”という視点は、是非現在の第五位のファクターと戦わせたいところ。


偏見を持たない素直な気持ちで概念を拡張し、日々技が洗練されている感覚を楽しむ。

少しだけ梅原大吾の境地に近づいたかな。