今年一年、神経をすり減らしながらも納得のいく収益を確保できた。

12月は毎年、その傷をいやすために結構な散財をする。

金は天下の回りものとはよくいったもので、収益を生み出す仕組みを構築できれば、天下は翌年も利子をつけて返してくれる。


ただ、長年飽きずにシステムトレードに勤しみながらも、飛躍を感じたことはついぞない。


最近になってその課題に対する答えらしきものがぼんやりと見えてきた。


ひとつはセルフイメージの強化であり、そのトレーニングを実践中。

トレードスクール第六期のカリキュラムにも入れるつもりなので、そのためにも自分なりに納得のいく結果を残す必要がある。

結果が出るまでは詳細は内緒。

まだ見ぬ六期生よ、楽しみに待っていてくれ。


もうひとつはシステムトレーダーとして社会とのかかわり方に対する哲学を確立すること。

今、散財の対象が自分に偏りすぎている。

私の師匠以外に魅力的なトレーダーがいないのはこのためであり、自分もその方向に向かっている怖さがある。


ノブレスオブルージュ(noblesse oblige)。

訳すと「高貴なる者に伴う義務」。

第一次世界大戦において、本来特権的階級であるイギリス貴族の子弟が積極的に従軍し、最前線で戦い、その死亡率はイギリス軍全体の平均死亡率の倍にものぼったという。

戦後復興の立役者である白洲次郎もこの思想に殉じ、敗戦国の誇りをもって日本を強国に押し上げた。


収益を生み出す仕組みを持つものは、その出口戦略においても相応の義務を負うべき。


来年は強力な飛躍を誓う年。

自分の社会における義務とは何か、常に問いながらシステムトレードに向き合おう。

来年の今頃、自信をもって自分なりのノブレスオブルージュを語れるように。