山を登り続ける:気づかぬ間に下っていることを畏怖すべし

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先日の富豪を本気で目指すOB会。

背水の陣を自ら敷き、常に走り続けている人物達の放つエネルギーに触れる、とても上質な時間だった。

死んだ魚の目をした負のエネルギーを放つサラリーマン達に囲まれる時間がデフォだった自分にとっては、あまりにも強すぎる、でも心地よい刺激だ。


その中のひとりは元居酒屋店長で、例に漏れぬブラックぶりに自らの生き方を見失い、勢いだけで飛び出した人物。

少々強面だが、兄貴肌で面倒見もよい。

今、自分のことで精一杯のはずなのだが、困っている仲間を見捨てることが出来ず、自分の持てる知識や時間を使って手助けをしている。


彼は富豪の会に参加した当初、会社は辞めたが何をやって食っていくか、まったくのノープランだった。

そこに、他のメンバーから古物市場に誘われたのがキッカケで、今は古物転売を手がけている。


物怖じせず競り落とす度胸、リペアや撮影方法、顧客対応など、日々試行錯誤しながら徐々に形になってきいる。

見所のある人物だけに、きっと形になるだろう。

こんなメンバーとお互いに次月の目標を宣言し合い、エネルギーを分かち合い、必勝を確信して新宿西口思い出横丁をあとにした。


魅力的な人間の条件とは何か?

絶対的な条件のひとつは、「常に今の自分を乗り越えようとする姿勢」だろう。

いいかえれば、いつの時間を切り取っても登っている状態にある人物。


そういった物差しで考えると、例えば経団連の歴代会長に魅力がないのも頷ける。

彼らはかつて一時代を築いた辣腕経営者だったことは間違いない。

その時々の日本経済に対するあるべき指針を示し、日本人なればこその強みを活かした経営のロールモデルを提示してくれた。


だが、現役を退き、天下りにも似たポストに就いた後は、過去に蓄積した貯金を食いつぶしているだけ。

過去の栄光のハロー効果をバックにイエスマンを従え、時代遅れの持論を現役世代に押しつける。

これまで時間をかけて登ってきた山を、超高速で転げ落ちている事実に本人だけは気づいていない。


前述の元居酒屋店長は、競り落としたブランド品を日々コツコツ磨いて撮影し、ヤフオクに出品している。

今日は写真の写りが悪かったので光の当て方を変えてみよう、傷だらけの商品もなんとかお客さんに喜んで買ってもらう術はないものか、ヤフオクで高値が付きやすい時間帯がないか調査しよう。

そんな毎日だ。


生活はギリギリ。

グッチの財布に当てる光の角度を工夫する彼の成長は、牛歩のごとき遅々としたものかもしれない。

だが彼は確かに登っている。

歩みを止めず登り続けている。

いついかなる瞬間を切り取っても、偏回帰係数は常にプラス。

だからこそ彼はとてつもない魅力を放つ。


どれほどの高みに上り詰めたとしても、常にさらなる高みを目指し登り続ける。

そんな人物に人は心を動かされ、明日への活力を見いだす。


知らない新しい概念はないか、文体の構造が陳腐になっていないだろうか、論理的かつ情動的な矛盾した表現を同居させられないか。

登る意識で今日もブログを書く。