狂気を宿した経営者流の収益化システム構築法:ロジックなき神の手法(2)

自分がコンサルティングスキルを身に着け始めた2000年初頭は、ロジカルシンキングがブームであったと記憶している。
・ヒアリングや調査に基づく課題の洗い出し
・フレームワークを用いた課題の整理
・実行容易度とビジネスインパクト軸による施策実効優先度評価
・直近実行施策の概念設計、詳細設計
こんな流れを通じてクライアントと毎週打ち合わせをする日々を送っていた。
当時の上司もコンサルティングファーム出身で、同僚達は後にMBA取得のためアメリカに留学していった。
そういう環境で長年仕事をしてきたため、ビジネスとは客観的な事実に基づいて論理的に組み立てていくものだと信じて疑わなかった。
その論理的思考に過剰最適化された頭で転職したのが、先の社長の会社。
単なる思い付きとしか思えない、ロジックのカケラもないアイデアを社員に投げかける。
我々がその実現に向けて右往左往している間にそのアイデアに興味を失い、次のアイデアを鼻息を荒げて投げかける。
そんなルーティンが果てることなく延々と続く。
当然社員は疲弊し、地方都市でありながら人材の回転率は非常い高い状態だった。
だが、社長から距離と時間を置いた今、冷静に彼の思考と行動を回顧したとき、その方法論は不確実性の高い未来に適応する堅牢な収益化システム構築のための最も優れた手法なのではないかと思い始めてきた。


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