梅原大吾の思考をシステムトレーダーとして解釈:異世界同士の因子分析を試みる(3)

引き続き梅原大吾。





ポイント3:市場を荒らさない

昇竜拳連打のくだり。

勝つための方策として、見ていてつまらない打ち手を繰り出すプレイヤーがいるという。

ルールの範囲内なら何をやってもよいと考える人間はどの世界にもいる。


投資の世界でも、かつてホリエモンが株の受け渡し期間の空白を突いて株高を演出し、その株価で企業買収を行っていたことは記憶に新しい。

その行為自体は当時の法律に抵触するわけではなかったが、企業の実体価値を大きく超える株価を意図的に作る抜け穴のようなやり口を誰も快く思わないだろう。


日本人は特に勝利よりも正々堂々とした振る舞いを美徳とする。

オリンピックにおいても、日本人がドーピング検査で陽性判定を受ける場面はなかなか目にしない。

中国やロシアなどの旧共産国だけでなく、アメリカやヨーロッパでさえオリンピックのたびにドーピングの疑われる選手が毎度出てくる状況とは対照的だ。

自転車のアームストロングや野球のアレックス・ロドリゲスのような子供たちが憧れるスター選手でさえ名誉や金銭的インセンティブに抗しきれない。


一方で「グラップラー刃牙」で、刃牙のライバルのジャック・ハンマーがステロイドを含め大量の薬物によって肉体を強化する場面を思い出す。

その行為に対して刃牙は「やるべきだ、本当にそれで強くなれると思うのなら」と語る。


この対照的な話において重要なことは、何を自分は目的とし大切にしたいのかを明確にして心から納得することだ。


強くありたいのか、正々堂々とありたいのか、自分の心に問いかけて腑に落ちる方を選択すればよいと思う。


ウメハラの場合、立場上、格闘ゲームの市場育成が重要な目的となっている。

彼が語っているように、見ていて楽しいプレイによって、直接的には格闘ゲーム市場が盛り上がってすそ野が広がれば自分の実入りが増えるだろうし、間接的には思考の幅の拡大により自分自身が成長できるからだ。

したがって、彼が見ていて面白いプレイを心がけることに迷いはない。


トレードは他人に見せる機会はないし、金銭が直接絡む分、勝たずに心の充足を得るのは至難の業。

また、他人の視線がない分、美徳よりも目先の勝ちにこだわる傾向が強く出やすいだろう。

自分の売買によって市場の流動性を高め、適切な株価形成に寄与している!との志でトレードしている人間はまずおるまい。


自分自身も自分なりにトレードに取り組む目的を明確にしている最中なので、ここで回答を示すことは控える。

哲学は独りよがりに考えるべきことではない。

だから、多様な考え方のトレーダーとの接触を試みている次第。

今年もよい出会いが待っている予感がする。




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