価格変動をランダムと認識するか合成シナリオと認識するか:人間原理から逆引きする考え

大砲ラーメン

価格変動に対する基本認識として、ランダム性を前提とするか規則性を前提とするかでエッジへの向かい方が変わってくるだろう。


件のブログの著者はランダム性を前提としていた。

価格変動のほとんどはランダムであり収益機会はないのだから、そこから収益を得ようとすれば、わずかな価格の歪みを必死になって探し出さなければならない。


一方で規則性を前提とする考え方もある。

価格変動はシングルファクターで説明できる関数の合成関数であり、その複雑に絡み合った関数を解きほぐすことが出来れば、クリアな価格変動を認識することが出来る。


前者の考え方の場合、他人との具体的な技術交流は御法度だ。

自分が頑張って見つけたわずかな歪みを他人に知られれば、瞬く間に自分の収益機会がなくなるのだから。


後者の考え方の場合も、関数の分離方法を共有してしまえば、同じ収益機会に皆が群がることになるだろう。

しかし、関数をシナリオに置き換えて考えた場合、解きほぐしたどのシナリオに重きを置いてベットするかは個々人に判断の余地がある。

解きほぐしたシナリオの数とその重み付けの分、まだ前者よりも技術交流への抵抗は薄い。


また、シナリオそのものではなく、個々のシナリオの認識方法の検討であれば、抽象化した技術として脳に格納できる分、お互いに自分の考えを包み隠さず披露して切磋琢磨する意味が出てくるだろう。


自分は“儲けのタネがバレたらヤバい”と歯切れの悪い言葉しか発せずに腹の探り合いをするより、自分の考えをピュアにぶつける場が欲しいと思って活動している。

口座残高が増えるのをひとり眺めるより、自分の技が磨かれることに喜びを感じたいのだ。


シナリオにベットするトレードの魅力はここにある。

だから、価格変動をランダムとは認識しない。


考え方の順序が逆なのは承知の上。

だが、あるべき未来のイメージから逆引きする価格変動の認識のあり方は、人間原理にかなう。

絶対的な答えがないならば、こちらの認識の方が世界が広がる。

そんな判断、悪くないと思うがな。