このブログでは基本的にポジショントークはしない方針である。
理由は単純で、とにかくその手の話はウザいのだ。
ポジショントークには、自己承認欲求が満たされないトレーダーが、その者に関心のない世間に対してドヤ顔をし溜飲を下げる意味以上のものはない。
だからこの上なくウザい。
それに触れた者は皆“いいね!”ボタンではなく、“どうでもいいね!”ボタンを、課金してでもクリックしたくなるはずだ。
このブログでは、受け手に気付きや学び、可能であれば成長の糧を提供していきたいので、自らを承認してもらうだけの内容のコンテンツは厳に戒めている。
ただ、トレードに取り組むための思考プロセスを教授するための素材として意味があると判断すれば、“どうでもいいね!”を恐れずポジショントークも披露したい。
さて、前日の記事で、下目線の根拠とそこから導出されるシナリオ、およびポジション組成の流れをお伝えした。
それに基づき、今日どのようなトレードをし、いかなる気付きを得たかを解説しよう。
本日、日経平均先物はCMEで底値を探るも、寄り付きは14810円と前日高値近辺で寄りついた。
自分のポートフォリオでは、前日サポートを切るなどして弱くなった銘柄を容赦なく寄り付きで投げ、寄り付き段階でヘッジ比率が売買代金ベースで82%となった。
さらに、寄り付きから10分程度の振り上げで一時前日高値を抜けたため、最後の逃げ場と判断し、弱めの銘柄も次々に決済していく。
結果、寄り付き30分程度でヘッジ比率が132%に達し、オーバーヘッジ状態に。
そこから想定通り弱い展開になり、これだけヘッジしておけば損失にはならないだろうと、前場1時間の予定を変更して相場を眺めていた。
だが、そのヘッジ量を超えて損失が拡大していく・・・。
昨日まで強かったために残していた、選りすぐりの一部指定イベント銘柄が大幅に下落。
前日寄り付きで安く仕込めたリクルートの利益も焼け石に水で、コツコツ積み上げた今月の利益の20%を吹き飛ばした。
日経平均先物は安値引けとなったのに、結局損失は回復せず。
ヘッジ比率を少し調整し、118%としてこの日の取引を終え、そのままオーバーウィークとなった。
さて引け後、自分の気持ちはどうだっただろう。
事前シナリオとそれに対応したポジション調整のオペレーションは完璧。
被った損失がむしろすがすがしさをもたらしてくれるようだった。
確証を持って自分が構築した仮説にベットし、一貫した方針に従う。
異様な空気感が漂う今の相場つきの中で、意に反して損失を被りながら、かように立ち振る舞えたことに驚きを感じると共に確かな成長を実感した。
ドラフト4位でプロ野球に身を投じたイチローがバッティングに開眼したキッカケは、内野ゴロの凡打だったという。
傍目には凡打だったかも知れないが、そのとき彼の中で、バッティングに絡む、これまで積み上げてきたすべての要素がつながったのだろう。
そう今は考えられる。
拡張し続けてきた概念の有機的統合によって組み上げた戦略、そしてそれに依拠した迷いなき行動。
目先の利益よりも何十倍、何百杯欲しかった果実をやっと手に入れた。
読者も、不確実性の高い非日常が目の前に現れたなら、これまで獲得してきた概念、準備してきた戦略を試す場と前向きにとらえ、思いっきりベットしてみよう。
そこで得る感触、実感、気付きなど、体に染み入るすべてが、きっと後の財産となるなずだ。
逃げたら損だぞ。