39円の豆腐と380円の豆腐:未来の自分のイメージから今の自分のあり方を決める

ゾーン 電子書籍版

メンタルに課題を抱えていることを認識して以降、普段の所作や思考の変化を促そうと意識している。


お金の使い方はその最たるものだ。

たとえば平日食べている豆腐は、一丁198円から最大で380円のものを選んでいる。

安いものだと39円の値札が付けられているので、隣同士に並んでいると10倍近い豆腐を買うのはまだまだ躊躇してしまう。


味や風味、舌触りの差は確かにある。

39円の豆腐はプラスチックを食べているような感覚があり、醤油などの調味料を大量にかけないと喉を通らない。

一方で380円の豆腐は良質な素材の風味が口いっぱいに広がり、とろけるような食感もあるため、そのまま食べても十分満足できる。


ただ、それだけで10倍の差を許容できるかというと難しい。

シストレ界の貧乏旗本三男坊、徳田新之助を標榜する自分には、今この瞬間の食感だけを切り取れば、98円くらいが限界か。

380円を心から自分に納得させるにはもう一工夫が必要だ。


そこで考えたのが、今だけではなく未来得られるであろう果実に思いを馳せることだった。

39円の豆腐を選んだ未来と380円の豆腐を選んだ未来を比較する。

その差分が食感分を引いた278円を上回ればストロングバイである。


まず1日2丁なので、差額は月額16680円、年額20万強。

次に効用を比較する。

   39円:380円
味覚)麻痺する:研ぎ澄まされる
栄養)貧弱:豊富
健康)添加物、化学調味料まみれ:添加物、化学調味料不使用
調味料)大量に必要:少量で大丈夫


五感のひとつである味覚を研ぎ澄ますことが出来れば、トレードの意思決定も洗練されていくはず。

健康に関しては、残留農薬や健康を害して病院にかかる可能性(医療費)も考慮すべきだろう。


これらが365日累積した未来の自分はどうだろうかと想像する。

20万円の投資をする価値があるだろうかと。


40歳の体に添加物や化学調味料、残留農薬、過度な塩分が毎日蓄積され続ければ、体だけでなく脳までスカスカになりかねない。

想像するだけでゾッとする。


目指す利益額を考えると、1日で20万円程度の損益が振れるのはまだまだ序の口であり、今でも日常茶飯事の出来事。

250営業日中数日の意思決定を洗練させられれば即ペイするだろう。


パラレルワールドをクリアにイメージして比較したなら、年間20万の投資はラクに回収できると判断した。


鬼の形相で蛮勇を振り絞って買っていた380円の豆腐が、今は一瞬の躊躇で買えるようになった。

スーパーの主婦軍団から怪訝な視線を浴びなくなる日も近かろう。


未来のあるべき自分をイメージし、そこからの逆引きで今の自分の有り様を決定する。

期待値基準の意思決定を少しずつ腑に落とし始めたか。