狂気を宿した社長の類型に学ぶ、将来のクリアなイメージを持つことの重要性(1)


以前書いた、狂気を宿した社長の会社にいたときの話。


あるとき、彼なりに社員を鼓舞しようとしてか、とあるマインド系の怪しい男を大会議室に招いて講義を受けることになった。

調べてみると、それ系では有名な男らしく、書籍も多数出版されている。


だが、見せられた映像は南国の島やドバイの花火、そして彼が貧しい生活から一転成功(?)を駆け上がった後に札束をわしづかみしている様子など、見るに堪えないものだった。


それ以外にも、社員全員を立たせて「ついてる!ついてる!!ついてる!!!」などと叫ばせたり、「もうダメだ~」とため息をつかせて、その違いを腕を押し下げる動作で比較させたりなど、実に狂信的なひとときであった。

このときほど「類は友を呼ぶ」という言葉が腑に落ちた瞬間はない。


通常、この男の信者や心を病んだ人間がお金を払ってくるため、このような第七サティアン系の所作にも疑いなく従うのだろうが、我々は良くも悪くも常識ある会社員である。

席から立ち上がらない者や腕組みして眉をひそめる者など、徐々に場の空気はしらけたものとなった。

それを感じたのだろう、その男はキョドった態度で逃げるように会場を後にしたのだった。


後日、社長から社員全員へのプレゼントということで、自分の夢をひとつの動画にまとめるというその男の会社のサービスを受けることになった。

皆、薄ら笑いを浮かべつつも、やらないと社長が切れるので、仕方なく必要な素材を集めてその会社へ送付したのだった。