レジームスイッチングモデル:イベント投資家夕凪さんとの座談会での気づき


夕凪さんはアベノミクスで5000万の利益を積み上げ、運用資産が1億円突破した。

このとき意識したのが、例のシステムトレーダーが語っていたレジームスイッチングモデルだという。


レジームとは、 好況(expansion)・不況(recession)、 強気 (bull)・弱気(bear) などといった「市場の見えざる状態」を意味する。


夕凪さんは、バブル相場と通常相場、閑散相場の3つのトレードセットを用意しておいて、各レジームに対応したセットを使用する。

アベノミクス相場はバブル相場なので、それ用のセットに切り替え、レバレッジをかけて乗り続けたとのこと。


バブル用セットがいかなるものなのかはメルマガ限定の音声コンテンツで語られるので、パラダイムシフトを求める読者は是非聴いてほしい。


システムトレーダーは、いかなる相場つきにおいても安定した利益を生む万能のシステムを求めがちだ。

それゆえ、無理なパラメータの最適化に陥り、結局どの相場でも儲けることのできない中途半端なシステムが組みあがる。


なぜ我々は万能を求めるのか。

希求の源泉は「判断に伴う恐怖」だ。


人間の学習は頻度主義に基づく。

我々の脳は、10年に1度のバブルのような低頻度の事象を感知できない構造になっている。

機械学習も同様のアナロジーに基づくため、必然、低頻度事象を感知するシステムの構築は困難を極める。


信用評価損益率、投資主体別売買動向、金融活動指標、VIX・・・参考となる指標はあまたあれど、今の相場つきの最終的なレジーム判断は人間の感性に依存せざるを得ない。


感性に基づく判断を排除したトレードシステムの運用によって、いつしか我々は相場が発する声なき声を受け止める感性を失う。

そして相場の悲鳴や雄叫びにさえ耳をふさぎ続け、自らの判断を放棄するシステムの心地よさに留まり続ける。


果たしてどちらが恐怖だろうか。

言い換えれば、自分は何者になりたいのだろうか。

日々感性に基づく判断によって傷を負い続ける者か、感性を排除して長期の無傷無敗を誇る者か。


難しいことはない。

読者のこれまでに経験に照らし合わせればいい。

真に魅力のある者、自分もこうありたいと思わせてくれた者がいづれであっただろうか。


判断してみよう。