ドルコスト平均法:株式システムトレーダー由来の思考計算法(3)

我々はシステムトレーダーであるので、別の観点でドルコスト平均法を考えてみたい。


毎月ある株をある時点で購入する場合、そのポジション量の決定において最優先すべき教師信号は、その時点の損益期待値である。

決して株価ではない。

厳密には損益分散も同列の教師信号とすべきだが、ここでは多入力一出力の評価関数を考えたいので省略する。


すでにプロ棋士を凌駕する棋力を持つ電脳王ポナンザ(Ponanza)は、現時点から次の一手を指した際の局面を評価関数によって定量的に評価し、その評価値が最大の一手を最善手とする。


同様の考え方をトレードに適用するならば、まず現時点から未来のある時点までの損益を教師信号として評価関数を構築する。

そして、その評価関数に必要な現時点の入力信号を入力し、評価値を返す。


返された評価値がプラスならば買い、マイナスならば売り(見送り)だ。

さらにポジション量は、出力された期待値の絶対値をとり、その値に比例させる。


モデル構築に際し、演繹的に決定しなければならないのが、損益を算出する期間を現時点からどの時点までにするかだ。

特に前提がなければ、現時点から固定の期間で期待値を算出する。

たとえば、1週間や1ヶ月など。


イベントドリブンの場合は、終点を固定する方が合理性があろう。

たとえば株主優待取りの需要をエッジとする場合、権利付き最終日を終点とし、現時点からの損益を教師信号として評価関数を構築する。


理想形としては、毎日対象ユニバースの銘柄のすべてを評価関数にかけ、さらにポートフォリオのシャープレシオを教師信号として構築した別の評価関数でポートフォリオを最適化する感じか?

評価関数がニューラルネットワークでよければ、すでにエクセルで作ってあるので、あとはデータ取得からポートフォリオ評価まで一連の流れを自動化できる猛者がいればなぁ、とまだ見ぬ我が最強チームのメンバーにラブコールを送っておく。