昼休みは本屋でひとり立ち読みが日課。
本日気になったキーワードが「ヘドニック・トレッドミル現象」。
ヘドニック・トレッドミル現象とは、豊かさや幸福を手に入れると、時間と共にその状況に慣れてしまい、それらを初めて手に入れたころの幸福感を感じなくなる現象である。
手書きチャートの会後半のオリエンテーションでも話したが、これまでのトレードスクールは、第一期のカリキュラムを毎回ブラッシュアップして講義していた。
自分としては、その時の旬の話題や技術を取り入れながらリフレッシュしていたつもりだった。
それでも共通部分は多分に引き継ぐため、いつしか慣れや惰性で講義をしていたのではないかと思い返している。
無意識のうちに楽な道を選択していたのではないかと。
第一期の手書きチャートの会、20人以上の参加者を前に、膝が震え声がうわずり、自分でも何を話したのかさえ覚えていない。
個人として人に価値を提供してきた自信も、そのための方法論も、未来のイメージも何もない当時、それでも声にならない声で参加者に自分の思いを懸命に訴えかけていた。
今、社会人として人並み以上の成果を出し、それにひもづく自信も備え、加えて他者からの十分な承認と労働者としては十分な報酬も獲得している。
それゆえにだろう、トレードスクール第一期、ひとり目の申し込みメールが入った瞬間の、生まれて初めて掛け値なしの自分という人間そのものを認めてもらえたあの握りこぶしを忘れ去ってしまったようだ。
どうすれば幸福になれるのだろう。
ヘドニック・トレッドミル現象を支持するならば、そのための要件に「新たなるチャレンジ」は必要不可欠であることは自明。
幸い、第六期は高度なトレード技術を持つ生徒が多数参加する。
それに比例して人間の器の大きさを感じさせる人物もひとりやふたりではない。
新たなるチャレンジなくして彼らの欲求を充足させることは到底不可能。
4月26日の第一講、もし教壇に立った自分がガクブルの表情をしていたなら、第六期の生徒よ、相当に期待してくれて結構だ。
生涯において一、二を争うほどの講義を披露させていただく。