HighFAI売買譜検討会構想(2):質の高いアウトプットを要求する相場研究会

FX・株・先物チャートの新法則 伊藤智洋
囲碁の研究会のトレードバージョンをイメージして考えてみる。

本因坊秀策など、他人の過去の棋譜を並べて検討する場合もあるだろうが、やはり自分の実践における棋譜に勝る教材はないだろう。


我々にとっての棋譜は売買譜になる。

どの銘柄をどのタイミングで買い(売り)、どのタイミングで売った(買った)かの履歴。

これを素材に検討を行う。


銘柄選定の理由、買値や売値の優位性など、売買譜に現れるデータは少ないながらも、その背景には、トレーダーの思考プロセスがぎっしり詰まっている。

本気でトレードを究めんと欲する者ならば、ひとつの売買譜でいくらでも語れるはず。


あるトレーダーの視点は、他のトレーダーとは当然異なる。

異なる視点は眠っている脳細胞を刺激し、新たな戦術の組み合わせ最適化へ向けての触媒となるだろう。


重要なのは、架空の検証結果をなぞるのではなく、血肉の結晶たる己の資産を投下した売買経験を語ること。

苦悩や歓喜を織り交ぜた売買のストーリーを語る。

それこそが知識を共有する仲間の心の臓を鷲づかみにする。


ユニバースを限定するのもいいかもしれない。

たとえばTOPIX組み入れや株主優待など、同じとき、同じ銘柄を注視しながら、各々が異なる視点でその値動きを受け止める。

同じ棋譜を並べながらも異なる戦術を語り合う囲碁の研究会のごとく。


会の性質上、スクールOB生やHITPの生徒限定になる。

気心が知れているので、チャットワークで売買譜をリアルタイムに開示し、定期的にスカイプミーティングの実施でも成立するだろう。

実際に語り合いたくなったら、適宜リアル研究会&飲み会をセッティングする感じで。


この会は参加者全員が同質のアウトプットを共有するので、参加費は無料、会場費や飲み会代などの実費の割り勘で大丈夫。

とはいえ、アウトプットの質、量に関してはガイドラインを設けることで高いレベルの会にしたい。

惰性で適当なアウトプットを出されれば、真剣に学ぼうと思う者ほど離れて行ってしまうので。


トレードスクールで講義ごとに実施している課題図書要点整理の緑を思い出そう。

価値の高いアウトプットとは、スキルの高低だけに左右されない。

価値の高さとは固有性を持った、自分にしか表現できない、経験に基づく言葉なのだ。

これは今の立ち位置に関係なく誰でも実行可能。

あとはトレードにどれだけ前のめりで向き合えるかどうかのみ。


ということで、開催するときはこのブログで募集をかけるので、興味のある方は是非。