公募増資の空売り規制と待期期間短縮を儲けの源泉にできるか(2)



前回の続き。


「ブックビルディング方式」

訳すと「需要積み上げ方式」。

引受証券会社が、以下のプロセスに基づいて、新たに売り出される株式の価格を決定する方式のこと。

①公募増資発表
②仮条件決定
③ブッックビルティング申込み
④抽選、購入申し込み
⑤株券交付


具体例があった方がわかりやすいので、「3667 enish」を例に示そう。


①公募増資発表

企業のIRで公募増資の実施を発表。

ここでフォーマットに基づき、売り出す株の数量やその後のスケジュールが示される。

具体的には下記5点を記述する。

 1.募集株式の(種類及び)数
 2.募集株式の払込金額(発行価額)又はその算定方法
 3.金銭以外の財産を出資の目的とするとき(現物出資)は、その旨及び当該財産の内容・価額
 5.金銭の払込み又は現物出資の給付の期日(期間)
 6.新株発行の場合は、増加する資本金及び資本準備金に関する事項


 例) 2013年11月22付けで「新株式発行及び株式売出し並びに主要株主の異動に関するお知らせ」発表。


新株発行と同時に既存株主からの売り出しが行われることも多いので注意。

enishの例では新規発行株式が35,000株、売り出しが70,000株と売り出しの方が2倍の株数となっている。

売り出しは株主が変わるだけなので理論的には株価に対して中立であるが、市場に株が供給されるため短期的な下げ圧力になる。

需給視点では、市場に流通している株式数(浮動株数)に対する発行株式数や売り出し株数は説明力の高いファクターになる、との仮説が考えられるだろう。

このファクターを検証することでエッジが見いだせれば、下手なテクニカル指標よりもよほど堅牢なシステムが組めると思うのではないかな。

オーバーアロットメントによる売り出しは、申込数が増加した場合のバッファ株である。

enishの場合、15,000株となっている。

最近はよほどのことがない限り売り出されるため、売り出し株数に組み込む方がよい。


さらっと書かれてある「シンジケートカバー取引」も面白い傾向があるのだが、トレーディングエッジとして使えるほどのものではないため割愛する。


余談だが、かつてIR情報の発表前にサーバにアップロードされていたPDFファイルを覗いて利益を得た投資家がいた。

企業がPDFファイル名を「日付+連番」などにしていたため、URLを翌日日付にすることで閲覧可能だったという。

ズルいというよりも、いろんなことを考える人がいるものだと感心した次第。

自分もこのくらいの柔軟な着想に至りたいものである。




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