4502武田薬品工業の集団訴訟和解による赤字転落:また新たな概念を獲得した喜ばしき日

昨日、「4502武田薬品工業」の株価が急落した。


武田は現在、米国で糖尿病治療薬アクトスの副作用問題で9000件の訴訟を起こされている。

その多くの原告と和解に向けて合意がなされ、関連費用を含めて27億ドル(3241億円)を前期決算に引き当てる。


これで650億円の黒字が一転して1450億円の連結最終赤字になる。

武田の最終赤字は1949年上場以降初めてだという。


このニュースに市場は敏感に反応、寄り付きから大きく売り込まれた。

ただ、配当は維持され、来期予想も通常通りの見通しだったこともあり、寄り底で陽線を立てた。

日経新聞アングル

その日自分は決算関連の他の鉄板銘柄を見つけてトレードしていたため、この陽線は取れなかった。

が、いくつかの学びも得た。


そのひとつが本日日経新聞の「アングル」に書かれてあった大手証券会社のストラテジストの下記の記述。

“赤字企業の株を持てない機関投資家の売りも出たようだ”


何気なく書かれてあるが、実需と仮需の動向にアンテナを張っている自分には値千金の知識として捉えられた。

すなわち、前日発表された情報によって機関投資家が当日即座に動くのだという事実。


機関投資家というと、その意思決定プロセスが長く、ポートフォリオの大幅変更には各所のハンコをもらって回らなければならない勝手なイメージがある。

だが、事前に定められた基準の元、最速で行動する機関投資家もいるのだと知る。


これにより、彼らの実需の売りを想定して当日の株価のイメージを頭に描くことができるようになるだろう。


今回の件でいえば、黒字企業が突如赤字を出したら、翌日早い時間帯、今回の寄り底のチャートから推察するに、もしかしたら寄り付きにぶん投げられるイメージを。

ここから発想を広げて様々な基準を調べてみれば、イメージのバリエーションも増えるはず。


160円の日経新聞のコスパをここまで引き上げられるトレーダーもそういまい。

敏感なアンテナを持っている今の自分を少し誇りに思う。