大晦日は、嫁が紅白を見ている隙に、自分の部屋にこもって下記のDVDを見ていた。
野川徹氏は、件のブログ主の師匠に当たる方らしく、たびたび記事に出てきていた。
もともと商品先物系の人のようだったので、自分は全く知らなかった。
件のブログ主が、手法よりも遙かに重要と力説していた「環境認識」に興味を持ったので、彼のDVDの中で、そのタイトルが付いていたやつを購入。
環境認識とは、我々の世界でいえば「レジーム判別」とほぼ同義で、今の相場付きがどのような性質にあるのかを認識するスキルを指す。
そして、認識したその環境に最適なトレード戦略を選ぶべき、という主張。
言われれば当たり前に聞こえるかもしれないが、環境認識&戦略選択の合わせ技は、ものすごく高度な技術と長年の経験を要する。
少なくともシステムトレーダーでこの概念を明示的に提示し、かつ論理的に解説している人を見たことはない。
たとえば、サブプライムローンに始まる世界的な金融緩和が、去年の12月のFOMCをもって大きな転換点を向かえた。
これにより、世界的なレジームスイッチが明確に起こったことは自明。
となれば、2008年から2015年に通用したトレードシステムを今年も使い続けるかどうかの再検討は必須事項である。
しかし、世界的なレジーム変化に対応しようという思想を持っているシステムトレーダーは見当たらない。
当然、どのような検討を加えてどのようにシステムを改善すべきかの方針を持って準備しているシステムトレーダーは皆無だ。
であれば、逆にチャンス!
今の環境だけでなく、未来の環境を認識でき、その環境に適合したトレードシステムを運用できたなら、他のシステムトレーダーに圧勝できるだろう。
なぜなら、人は直近利益が出たシステムをそう簡単にドラスティックに切り替えられないものだ。
昨日大丈夫だったシステムは今日も大丈夫、今日大丈夫だったシステムは明日も大丈夫・・・。
現在進行形で成功を続ける人間は、その成功が未来永劫続くと考える。
たとえ直感的に何か変だなと思ったとしても、今までの栄光のレジームが続くと信じ、しがみつく。
いわんや、未来起こるであろうレジームの変化に対応しようなどとはつゆほども思わない。
常に人間は、事後的にその環境変化を認識し、さも予見できたかのように解説するものだ。
自分はまさに、世界的な資金需要の流れの中で、日本株へ資金流入のレジームにあるのか、流出のレジームにあるのかを認識しようとしている。
しかも、今ではなく、直近の未来に向けた一連のシナリオとして認識したいと考えている。
もちろん容易ではない。
だからこそやる意味がある。
この領域を自分の技とできたなら、トレードの本質中の本質に迫れる気がする。
この3が日は、件のブログの主の記事を再度読み直し、野川氏のDVDも見直すとしよう。
いやー、環境認識の概念、相当やばいな!