先日、初めて買った紙の会社四季報2015新春号。
特に明確な目的があったわけではなく、パソコンの画面よりも紙の方がインスパイアされることもあるのではと考えた程度だった。
だが、新しいことには偏見を持たずに踏み込んでみるものである。
実はこの四季報、紙の書籍には記載があるのにCD-ROMには記載のないデータが存在していたのだ。
てっきり、紙のデータをそのままCD-ROMに使っていると思い込んでいた。
2015年新春号からなのかどうかはわからないが、本の冒頭に誌面拡充ということで、3つのデータが新たに加わったと書いてある。
そのうち、“比較会社”と“仕入先、販売先”は完全に新しいデータだ。
念のためCD-ROMの方を見てみてみたが、これらのデータはない。
発行元の東洋経済は、比較会社を記載した意図として、デイトレーダーを意識しているという。
以前のヤーマン氏のDVDでも語られていたように、デイトレーダーの多くは、何かしらの繋がりによる関連銘柄を同時にウォッチし、その中で出遅れている銘柄を売買している。
一説によると、BNF氏もスイングトレードで同様の考え方を取り入れているとか。
このとき重要になってくるのが何をもって関連銘柄とするかだ。
業種や規模、市場といった伝統的なユニバースも押さえるべきだが、手垢がつき過ぎている分それだけだとなかなかエッジを見いだしにくい。
海運大手の日本郵船と商船三井などの玄人好みの関連銘柄だけでなく、オリンピック関連銘柄で何の関連性もない小売業の「8289Olympicグループ」を想起するくらいの大胆さが欲しいところ。
そこで、この四季報の比較銘柄を使うのも面白い。
今現在は紙にしか書かれていないので、リテラシの低い投資家が参考にしている割合が高く、ビッグデータを自在に操るデータサイエンティストが参入している可能性は低い。
戦う相手のリテラシが低く、かつ株価へ情報を織り込む速度も遅い。
ということは、軸となる銘柄をうまく選定できれば、スイングトレードでも出遅れ銘柄を拾えるのではないか?
そう考え、今売買している銘柄の比較会社を分厚い紙の四季報から抜き出しながら観察し始めている。
一部面白い傾向も見えてきたので、またどこかで披露できれば。
効果の独立性を考えると、システムトレーダーこそアナログな紙から気付きを得る意義は大きい。
みんなが同じデータソースの最適化ツールに群がっている今こそ、温故知新の姿勢を大切にな。
PS.
CD-ROMでも見られると指摘がありました。
新しいバージョンで再インストールすればいけそうです。