立会外買付の検証を続けていく中で、芋づる式に様々な概念に出会う。

状況区分でいえば、立会外買付単体で行われる場合と、一連の自己株式取得の流れの中に存在する場合。

目的区分でいえば、自己株式消却や、資本提携解消、大株主が目先のキャッシュを得る場合。

これらをユニバース選定に用いるか、ベットファクターとして用いるかはIR資料やデータと戯れながら決めていく。


立会外買付は過去1年分でも100件以上のサンプルがあるため、PDFファイルを開きながら思考を張り巡らせると様々なアイデアが湧いてくる。

ボタン一発で検証結果が出るツールは便利だが、「連想記憶強化」という知識発見の大切なプロセスがポッカリ抜け落ちてしまう。

そのことに気づかず、全数検索に勤しんで人生の貴重な時間をどれだけ無駄にしてきたことか、切に悔やむ。


さて、ここからの展開としては、「自己株式消却」が面白いかなと思い手を付け始めている。

市場から株が消えるわけなので、需給面では改善し株価は上昇するとの仮説が成り立つ。

が、少々微妙な状況にあるため、慎重に検証作業を進めてみたい。

エッジがなさそうな状況からどこまで粘れるかがデータサイエンティスト兼システムトレーダーの腕の見せどころ。


儲かる匂いのする検証作業は苦痛にならないので、確度の高いイベントを軸にシステムを仕上げ、派生させていくのがセオリー。

金融工学の分厚い本を1ページ目から読んでいくのはさすがにナンセンスだ。

システムの構築や運用は人間がやる行為であることを意識し、行動促進可能性を第一優先度とした検証作業計画を立てていこう。