前回まで、掛け合わせで優位性を見いだす話を展開した。
この考え方は抽象度を引き上げて自分のものとしておけば、様々な場面で応用が利く。
もちろんそれはトレードにおいても有効だ。
自分は今、チャートリーディングのスキルを磨くため、毎日kabuステーションでチャートにラインを引きながらウンウン唸っている。
基本は「実践チャートリーディング」に書いてある内容でだいたいカバーしているので参考にして欲しい。
加えて「朝株トレード」の特典では、“なぜテクニカル分析ではなくラインを引くのか?”という問いに対するデータサイエンティストとしての見解を述べているので、ご興味があれば是非。
対象銘柄は適当に選んでいるわけではない。
基本は東証一部指定や株主優待を中心としたイベント期間中の銘柄になる。
機関投資家や個人の買いの追い風を受けながら、より有利な仕掛けのポイントをチャートで探っていく。
「チャートリーディング」×「イベントドリブン」
後者の統計的有意性は検証してあるので、あとは前者のスキルを向上させる。
単純にチャートを読むだけ、イベントの統計的有意性にベットするだけのライバルとは似て非なるブルーオーシャン領域を開拓できるだろう。
読者もこの掛け合わせの抽象度で考え、自らのスキル向上を目指すため、自分のコアスキルは何かを突き詰め、さらにそこに掛け合わせるべきスキルは何かを考えてみよう。
努力の方針が定まれば長期継続できるだろうし、コアスキルを活かすための努力は楽しく、なんら苦にならないと思う。
さて、イベントは期待値も高く非常に安心感のあるエッジなのだが、問題点もある。
それは、イベント自体が非常に少ない時期が存在することだ。
たとえば東証一部指定イベントにおいて、リーマンショック後の2009年などは、わずかに4銘柄しかない。
ここから判別ファクターを用いてスクリーニングをかけると、自分の旧モデルではわずか2銘柄まで減少する。
株の収益だけで十分豊かに暮らしたいと考えたとき、さすがにこれは厳しい。
したがって、他のイベントも含め、必然的な需給変化のネタを多数持っておく必要がある。
そこで新たに調べ始めたのが、スクール第六期で話題にのぼり、集合知トレーディングでも生徒に検証結果を披露してもらった「増担保規制」である。