軸となる自分なりのエッジを一点突破で掘り下げる。
日常でも常に意識している考え方だ。
トレードにおいて、その一点をどこに求めるか。
林輝太郎門下であれば、“1銘柄に絞る”ことで実現するだろう。
立花義正氏が「私はパイオニ屋です。」と語ったように、とにかく長期間1銘柄を徹底して追いかける。
すると、その銘柄と自分が一心同体になり、株価の方から行きたい方向を語りかけてくるようになるのだろう。
他のトレーダーと同じデータをインプットしながら、アウトプットの質が圧倒的に変わってくる。
正しいやり方だと思う。
だが、立花氏の時代は手数料が往復3%~4%も取られ、かつ、個人が入手できるデータにも限りがあった。
その制約条件の中での最善手として、1銘柄に絞るしかなかったのだと思う。
現在であれば、制約条件からではなく自分の特性に合わせてその一点を見いだせる。
今の自分なら、主となる軸は“業績期待のシナリオ”である。
日々生成される膨大なデータの中から、業績期待シナリオが走っている銘柄を、1銘柄1分もかからずチェックし終える。
日々数十銘柄、同じフォーマットのIR資料を同じ視点でチェックし続ければ、3ヶ月もかからずに、それなりの手練れの領域に入れるはず。
いづれはIR資料の方から株価の方向性を語りかけてくるようになるだろう。
多くのトレーダーは総花的に多種多様なエッジをつまみ食いする。
地殻に到達してコツンと響く前に別のエッジに浮気し続ける。
そんな状態が続いて混乱を来しているのなら、立花式を半年、1年続けた方がよほど実入りが大きい。
林輝太郎氏関連の書籍や資料は時代の考証を経ているので、相場技術の本質が詰まっていることは間違いない。
それらに正しい方向性を示唆してもらいながら、一点突破を図ってみるのが、多くのトレーダーにとっては近道だと思う。
軸が定まった後、自分なりのエッジをほんの少しずつ加えていき、エッジを重層化する。
誰もがまねできないオリジナリティあふれるトレード手法を、かようにして生み出してみてはどうだろうか、というご提案。