
まだ日本の金融市場も未成熟で牧歌的だったころの話。
かつては(今も?)額面で100円を切る銘柄はボロ株と呼ばれていた。
出資者への情報をつまびらかに開示することが誠意だと思われていたのか、優良株のみをポートフォリオに組み込むファンドは、100円を切る銘柄を採用しない旨をディスクローズしていた。
ここで巨額の資金を動かすことができ、あるファンドに採用されている100円を今にも切りそうな銘柄を知ったとする。
さて、読者ならどう動くだろうか。
倫理的な面を除けば、当然手元にある巨額の資金で思いっきり空売りを浴びせ、99円に分厚い指値売り注文を入れ蓋をするだろう。
そうしておいて、そのファンドに電話をかけ「グォラ!!目論見書で言っていることとやっていることが違うぢゃねーか!!あぁ!?※★○・・・」と延々ハードクレームを入れたのち、「誠意とは何かね?」と文太を召喚して電話をそっとおろす。
ファンドマネージャーたちは狼狽し、泣く泣く手持ちの99円株を投げ売るので、その玉に事前の売り玉をぶつけて一丁上がりという塩梅。
今ではそんな間の抜けたファンドはないが、相場の世界は今でも細かいほころびは意外と存在している。
ただ、自分がそういう話を耳にした時にはすでに賞味期限が切れる寸前だったりするので、まだまだ情報感度が低いのだと自省することしきり。
ということで、そんな面白ネタをご存知の方がいれば、こっそりメールでも(笑)。
悪魔に魂は売ってまで儲けようとは思わないけどね。