今、金融の世界ではかなり話題になっているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)。
恥ずかしながら、私は会社の同僚に「この動きどう思う?」とアドバイス求められて初めて知った次第。
システムトレーダーは、こういった世の中の動きを「株価はすべてを織り込む」とうそぶき、調べる労を惜しむ。
私もさすがにトレードと全く関係のない動きには労力を割きたくはないが、少し調べてみると年明けの相場を占ううえで結構無視できないキーワードであることがわかった。
どのように戦略に落とすかはあとで考えるとして、まずは基本情報を調べる。
GPIFは運用資金121兆(2013年11月現在)の世界最大の機関投資家。
現行の基本ポートフォリオ(アセットクラス)の基準は以下。
国内債券:60%
国内株式:12%
外国債券:11%
外国株式:12%
短期資産:5%
出典:年金積立金管理運用独立行政法人HPより
この中で我々株、先物トレーダーが気になるのは国内株式の比率だろう。
なぜなら、この比率が1%変化するだけで、1兆円以上の需給変化があるからだ。
とはいえ、実は2013年6月に国内債券比率を67%→60%に引き下げたことに伴って、国内株式比率を11%→12%へ引き上げていた。
つまり、実体経済とは独立した要因によって1兆円以上の株価上昇圧力(需要)が発生、株高を維持していたことになる。
そして、2013年6月時点の実際のポートフォリオが以下。
国内債券:57.72%
国内株式:15.17%
外国債券: 9.67%
外国株式:12.44%
短期資産: 5.00%
アベノミスク相場で国内株式の割合が基準をさらに大きく超えていることがわかる。
このままでは、アセットアロケーションにより日本株式を3~4兆円分売らなければならない。
そして先日2013年11月20日、公的年金の改革を議論する政府の有識者会議が行われ、公的年金が国内債券を中心とするポートフォリオの見直しが必要だとする最終報告を取りまとめた。
簡単に要約すると国内債券比率が高すぎるので、不動産や株などの比率をもっと上げろとのこと。
うーん、なんともきな臭い動き。
とはいえ、このような需給が大きく変化するタイミングは我々投機家の出番。
エッジを求めてハイエナの如くさらに踏み込んでいこう。
GPIFポートフォリオ採用銘柄を使った売買戦略の組み立て(1)
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