

書店は既存知識を整理したり、アイデアを創造するのに最適な場所だ。
考えが煮詰まったとき、書店のいろんなコーナーの背表紙を見ながら思考を張り巡らす。
押し付けられないレベルのキーワードが自然と目に飛び込んでくるため、既存の知識がほどよく反応し、整理される。
今日も昼休みは奴隷収容施設を飛び出し、ひとりで近くの書店を徘徊していた。
やりたいことがいろいろありすぎて逆にセーブしなければと思いながらも、楽しくてつい考えてしまう。
昨日のYさんの強烈システムを思い出し、相互にトレードに関する高いレベルの思考の素材を提供し合えるコミュニティが作れないだろうかと。
Yさんレベルの上質な情報を提供し合える仲間が5、6人集まるコミュニティを想像するならば、脳汁は不可避。
富豪への道が一気に拓けるだろう。
問題は、お互いが提供する素材の価値の差を、参加者全員が納得できる形で埋められるかどうかだ。
力量ややる気の差はどうしても生まれるため、ものすごいアウトプットを出すメンバーと、いまいちなアウトプットを出すメンバーが必然的に混在するだろう。
こういったコミュニティがうまくいかないのは、一生懸命なメンバーが損した気分になる状況を、主催者がマネジメントできないためだ。
身近なところにヒントがあった。
何度か話題に出した、せどりの技術を生徒の生活圏まで出張して教えてくれる、業界では稀有な誠実さを持つTさんの話。
彼は、チャットワークでコンサル生同士のコミュニティを運営している。
富豪の会で一度画面を見せてもらって驚いたは、その異常な盛り上がり具合だ。
自分の主戦場としている店で、今この商品がいくらで売られており、アマゾンで売るといくら儲かる、といった貴重な情報を、皆が惜しげもなく提供し合っていたのだ。
Tさん曰く、せどりの場合はお互いが競合しないため、情報を共有しても問題にならないらしい。
ドンキホーテやビックカメラなど全国展開している店舗において、ある商品が全国一斉に値下げされたとする。
そこで、たとえば福岡の天神で利益の取れる商品の情報がチャットワークに書き込まれると、北海道の札幌在住のメンバーがその情報を見て利益を出し、お礼を書き込む。
価値ある情報のキャッチボールによってお互いにWin-Winの関係を築ける、理想的なコミュニティ運営がなされている。
モチベーションの低いメンバー対策としては、月の投稿回数のノルマを定め、それに達しないメンバーには彼が直接警告を出す。
そのあたりの厳しさは、コミュニティの品質維持には欠かせないだろう。
では、同じコミュニティはトレードの世界で実現可能だろうか。
せどりとは異なる、乗り越えるべき鬼門が想定される。