週末を使って「稼ぐ人の株投資 億越えの方程式6」を一通り読んでみた。
記者および編集者のトレードに対する造形が深いためだろう、このムック本は一段高いレベルの示唆を常に与えてくれる良書だ。
ハイレベルなトレーダーにも学びを得てもらおうと質の高い内容を盛り込みつつ、しかし、発行部数を増やさなければならないジレンマの中で苦闘している様子は、読んでいても大変そうに感じる。
タイトルや銘柄推奨などの内容の薄さはその苦労の現れなので、大目に見てあげたいところ。
さて、今回も気になった記述はいくつかあった。
その中で、シナリオを組み立てる頭になっている自分が一番反応したのがタケ氏の“投資家それぞれの目的”。
言われれば至極当然のこの記述にグッとくるトレーダーがどれだけいるだろうか。
“各シナリオは独立性を維持しながら併走している”という抽象概念がなければ何も感じないだろう。
トレード目的を教師信号としてトレーダーをクラスター化する。
クラスター分析は各クラスターの独立性を最大化するようにサンプルを分離していく。
分離されたクラスターには、その特徴を一言で言い表せるラベルが付与される。
各クラスターはラベルに基づく独立性を維持しながらも、相互に影響を与え合う。
株価形成過程をデータサイエンティストの視点で捉え直すならば、このような表現がピッタリだろう。
ここで、独立性を維持した状態で、あるひとつのクラスターが異常な挙動を示したとき、他のクラスターはいかなる反応を見せるだろうか?
上記を思考実験によって突き詰めたなら、相当な“降り”が来るはず。
この抽象的な記述を深く深く思考してみよう。
いやー、久しぶりに相当ヤバいことを書いているつもり。
是非気づいて欲しいところ!