
「ロールモデル」とは、具体的な行動技術や行動事例を模倣・学習する対象となる人物を意味する。
以前、自分もこうありたいと思うトレーダーがいないと書いた。
技術は素晴らしいのだが、生き方という面でロールモデルたる人物は、これまで私の師匠意外にいないとも。
厳密には私の師匠は会社経営者になってしまったので、トレーダーのロールモデルとはなりえない。
卓越した技術を持つ彼らは、有能であるがゆえにその能力を自分の内側だけでなく外側へ向けて発揮したい欲求は非常に強い。
ただ、内に向かっているだけで完結する世界であるがゆえに、外へ向けて価値を提供する手段をなかなか見いだせていないように思える。
トレーダーという職業は社会的にも“マネーゲームであぶく銭を稼ぐけしからん輩”との世間の評判もあることから、真に上質な人間が表に出てきづらい環境もあるだろう。
NHKの「プロフェッショナル」やTBSの「情熱大陸」に現役のトレーダーやディーラーが取り上げられたことは(恐らく)ないことは、社会のトレーダーに対する低評価の証左といえる。
さらに個人トレーダーにいたっては、社会不適応者の代名詞のような扱いを受ける。
むしろ、こうあってはならないという非ロールモデルとして提示される、非常に残念な状況だ。
BNF氏がテレビで取り上げられるとき、例外なく金額の過多と好奇的内容に編集され、彼の技術や生き方の深層に触れられることはない。
これらが、トレーダーを目指す人達のセルフイメージを低下させ、技術の研鑽を妨げている大きな要因になっていると思う。
野球のイチローや将棋の羽生と同様に好きなことを純粋に突き詰める、ただそれだけのことを、ジャンルがトレードというだけで社会は寛容してくれない。
今後もこのような社会のネガティブなイメージは変わることはないだろうし、それを嘆いていてもしかたない。
ただ、希望もある。
同質の偏見を持たれていた格闘ゲームの世界では、「梅原大吾」の出現により空気が変わり始めてきた。
※参考
リクナビNEXT プロ論
就職ジャーナル 仕事とは?
同様に一般のトレーダーよりも少し前を走っている自分が“システムトレーダーとはかくあるべし!”という技術論だけでない生き方のスタイルを、勝手に提示していこうと思う。
明確なロールモデルがないため、すべてが試行錯誤になるが、そのプロセスも含めてセンスある「シストレおやじ」を目指していきたい!