
昨日紹介した梅原大吾の続きの話。(5話中の2話)
非常によい内容。
トレードにもダイレクトに通じる考え方なので自分のトレードスタイルに照らし合わせて咀嚼してみよう。
これから彼の言葉をいくつか拾って自分なりに解釈してみる。
ポイント1:初動での試行錯誤
概念拡張の王道は他人の知恵を借りることだが、個人トレーダーにはそれが困難な場合が多い。
ウメハラも人脈は広いだろうが、卓越した技術を持つがゆえに同じレベルで技術を研磨できる仲間は少ない。
さらに、過去の成功体験が強烈なだけに、かつてうまくいった方法論に引っ張られることも多いだろう。
それに抗うため、初動であらゆる可能性を排除せずにすべての選択肢を試すという方法をとる。
過去の経験上、おそらく無駄な作業に終わるとわかっていることでも試してみるのである。
結果無駄だとわかったとしても、“その方法は無駄である”との絶対的な結論を導き出したプロセスが迷いのない技術の拠りどころとなるのだ。
自分が検証ツールを使用しないのは、検証ツールでは実装されているオプションの範囲を超えることができない、すなわちツール設計者の概念範囲を超えることができないから。
ブッダの掌でドヤ顔をする孫悟空に似たり。
さらに、パラメータや条件を設定してワンクリックで検証結果が出る手軽さに慣れてしまうと、ますます検証のための下準備作業がおっくうになってくる。
データマイニングではデータクリーニングが分析作業の8割を占める。
異常値を処理したり、Null値の取り扱いを定めたり、正規分布を仮定する線形モデルを構築するため、データを変換したり、非常に面倒な作業が続く。
しかし、データクリーニング作業を通してデータと戯れる時間の中で知識発見のヒントを得ることが非常に多い。
新しいデータに初めて触れるときが一番偏見なくデータを見られるタイミングであり、ニュートラルな頭脳をもって様々な切り口で知識を発見できる唯一絶対のタイミングだ。
ワンクリックで全数検索をして結論を出してしまうのはあまりにももったいない。
結果を急いで楽に結果を求める誘惑にかられたなら、ウメハラの言葉を思い出そう。