過去の私も含め、収益化システムを持たざる人間は「タダ(無料)」で手に入る情報、ノウハウを使ってなんとか儲けようと考える。
これは仕入れをせずに利益を得ようとする行為と同義だ。
ネットビジネスの花形である情報販売は、外部から見ると仕入れがないため、粗利100%のボロ儲け商売に映る。
テキストやPDFだけでなく、最近は音声、動画のようなリッチコンテンツさえも低コストで制作でき、さらに再生産コストがかからない。
では(コンテンツが良質である前提で)彼らは本当に何も仕入れていないのだろうか。
私の経験上、10のアウトプットのためには、最低でも100のインプットが必要である。
100のインプットをするためには、コンテンツに関連する情報(書籍やDVD、セミナーなど)を多額のお金をつぎ込んで仕入れ、かつそれを消化するために膨大な時間(≒コスト)を費やさなければならない。
そう、情報産業において必要な仕入れ商品は情報なのだ。
もちろん、ネット上のタダで手に入る情報のみで稼ぐ人間もいる。
しかし彼らは散在している情報を取捨選択、統合、再整理するための頭脳を、同様に多額の学習費用と膨大な時間を費やして獲得したのだ。
その表層的な事象だけを見て、何の蓄積もない人間達がタダで大金を稼ごうとうごめく。
傍目にはなんとも奇怪な挙動なのだが、本人だけは気づいていない。
コストをかけて知識を仕入れ、時間をかけて咀嚼し整理したコンテンツをリスペクトする心の持ちようにいたれば、価値ある情報には相応の対価を支払おうと思うはず。
不確実な未来の期待リターンを見積もって適切なリスクとコストを事前に背負う。
システムトレードで勝つための思考はトレードの世界に閉じた話ではなく、あまねく日々の生き方にも通じるのだ。