
1.ガンジーが亡くなったとき、144歳より上でしたか、下でしたか?
2.ガンジーは何歳でなくなりましたか?
このように問われたとき、144歳から推論を開始するだろうか。
恐らくしないだろう。
この例は、エイモスのアンカーリング+調整のヒューリスティックスでは説明できない。
それを説明するのが「プライミング効果」である。
プライミング効果とは、アンカーと一致するイメージを選択的に想起させる効果のことである。
144歳というアンカーを提示されたとき、この年齢でガンジーが亡くなったとは思わないだろうが、“年を取っている”というイメージは想起されたのではないだろうか。
下記のような実験もある。
1.ドイツの年平均気温は摂氏20度よりも高いでしょうか、低いでしょうか
2.ドイツの年平均気温は摂氏5度よりも高いでしょうか、低いでしょうか
1の質問を受けたグループと2の質問を受けたグループに、いくつかの単語をほんの一瞬だけ見せ、どんな単語があったか答えてもらった。
すると、摂氏20度のグループでは夏を想起させる単語(太陽、海岸など)を、摂氏5度のグループでは冬を想起させる単語(霜、スキーなど)を思い出したという。
このような効果をレスポンストレードのエッジにできないかと考えている。
たとえばある銘柄の本決算に対して日経新聞が見出しで、
1.今期最高益
2.前期減収減益
のどちらを選択するかで、当然購読者のアンカーが異なり、異なるイメージを想起するはずである。
これは決算や業績予想の実体とは全く無関係の要素であり、しかも潜在意識に訴えかけるため、明示的に意識しているトレーダーは極めて少ない。
もしエッジにできれば、人間の普遍的な特性に依拠するものであるため、半永久的に使い続けられるのではないだろうか。

要素とリターンとの関係をモデル化することも可能だと思うので、興味のあるメンバーで手分けして検証してみるのも面白い。
その際対象者にはお声がけすると思うので、レスポンスマーケター渾身と一緒にレスポンストレードを極めたい方は是非!