集合知の代表例としてよく引き合いに出されるのが「牛の体重当て」の事例。


適当な重さの牛を連れてきて、大衆に公開する。

彼らは牛に対する専門知識はない。

その彼らに、見た目の印象だけで牛の重さを判断させ、紙に書いてもらう。

それを集計して平均すると、その牛の体重にきわめて近い値が弾き出されたという。


このことから、マネジメント次第で専門家と同等以上の知性を無知な集団が持ちうることが示唆できる。


そのマネジメントの肝が「思考の独立性」。

異なる境遇や価値観、能力を持った人間が各々の考えをもとに対象に対する知見を披露する。

ひとりひとりの知見はきちんと的を得きれないかもしれないが、それらの重心は真の解の近傍に位置する。


これが共通の理論を学び、高いレベルの等質なスキルの専門家だと、知見の分散が小さい分、LTCMのごとく、的を外すときには致命的に外してしまうこともある。


ここで、株式のポートフォリオを思い浮かべた読者はセンスがよい。

さらにトレードシステムで考えるならば、独立したエッジを持つシステムを多数平行運用することで、トータルとして堅牢なシステムになるという、お馴染みの考え方だ。


それを人間でやろうという試みが今回の集合知トレーディング。

第0期の準備は今しっかり進めているので、その流れや結果のアウトラインはこちらで報告しよう。

ものすごく儲かるシステムが構築された場合は、さすがに核となる部分は伏せるが。


興味を持った読者にはその上質なコミュニティへ参画する機会を設けようと思うので、それまでアンテナは錆びつかせないように。