東証貸借銘柄選定基準と選定のメリット:基本概念拡張の日々

相場師としての概念を拡張する環境整備


ゲームのルールにエッジを見いだす。

イベントを主体としたトレードのパフォーマンスが堅牢なのは、そのエッジがゲームのルールに依拠しているからに他ならない。


また、システムトレーダーの懸案である、システムが機能しなくなる時期も明確である。

それはゲームのルールが変更されたときだ。


この心理的にもパフォーマンス的にも安定感のあるイベントトレードは、もう2、3年は継続していく予定。


さて、Evernoteに溜まっていた調査チェックリストを久しぶりに開いてみると、知らないゲームのルールが山積みだった。

とりあえず優先度の高そうなものから逐一調べていこう。


まずは「貸借銘柄選定基準」。

ある銘柄が貸借銘柄に選定されると、証券会社と証券金融会社との間で融資や貸株などの取引が行えるようになる。

これにより、空売り用の株券を証券金融会社からの調達が可能となる。


結果、流動性が増すことで公正な値付けがなされたり、投機筋による仕手株化抑制などの効果が期待できる。

また、間接的には企業の知名度や与信の高まりなどから時価総額も上昇すると考えられる。


では、実際に貸借銘柄選定が株価にプラスの影響を与えるイベントになりうるのか?

調査してみたいところだが、優先度の高い検証が列を成している状況なので、それはまた機会を見てということで。


それに先立ちゲームのルールを知らなければということで、東証の貸借銘柄選定基準を見てみよう。

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【貸借銘柄選定基準】

■流通株式の数
2万単位以上

■株主数
1700人以上

■売買高及び値付率等
直近6か月間(注)において
 ・月平均100単位以上
 ・80%以上
(注)各銘柄の決算期を含む月の翌々月の末日からさかのぼった6か月間
 他市場経由銘柄については、上場日を含む月の前月の末日からさかのぼった6か月間における他市場での売買高及び値付け率

■企業業績
直前事業年度において
「当期純利益」が正であり、かつ「利益剰余金」が負でないこと

■選定時期
Ⅰ.定期選定(既上場銘柄を対象に決算期ごとに行う選定)
 決算期の6か月目の月の初日
 (注)定期選定の時期は、上記の選定の日から次に到来する決算期の末日まで延長される場合がある。
Ⅱ.早期選定(新規上場銘柄を対象)
 1.他市場経由上場銘柄=上場日
 2.直接上場銘柄=上場後最初の約定値段が決定された日の10営業日後
 (注)早期選定の時期は、上記の選定の日から6か月間延長される場合がある。

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出典:東証HP


上記を見る限り、それほど高いハードルではないような気がするが、実際には売りたい銘柄を売れないケースが多い印象がある。


ネックは株主数の1700人あたりか。

確かに、東証一部指定の条件が2200人であり、そのために売出しを仕掛けてくる企業が多いことを鑑みると、無名企業の株主数が1700人というのは黙っていて達成できる基準ではないのだろう。


ただ、選定のタイミングは明確なので、もしうまくエッジを見いだせたなら資金を効率よく回転させられるのではないかな。


1月10日キックオフ予定のHighFAI検証チーム決起集会での酒の肴としてのネタにでもしよう。