ゲーセンメダル無限増殖法(1):行動が良識のレールに乗っていても思考は無限

ずいぶん昔に書いた記事「勝つ仕組みを創る者たち」。

2009年、ダメダメフリーランスだった時代、やることが思いつかず、あろうことかゲームセンターのメダルゲームを統計的なアプローチで攻略しようと、平日開店から閉店まで、連日データ収集に躍起になっていた。

まぁ、“良識あるまともな大人”がやることではなく、いろんな意味で相当イカレていた様子が文面のそこかしこから窺える。


ただこの記事、実際に会った結構な数の方々に好評だったらしく、今でも“歌舞伎町に単身乗り込むところ、面白いですね!”などと感想をいただく。

30半ばの男がメダルを増やすために頭を抱えながら試行錯誤する姿。

この普段の生活では絶対に関わることのないイカレた思考の持ち主だからこそ、“良識あるまともな大人”達は、良くも悪くも引きつけられるのだと悟った。


良識のレールを外れた先に見えるであろう世界を夢想するとき、彼らの脳裏には、制約条件なき子供の頃に思い描いた無限の空間がよぎるのだろう。

いつしか我々は、何を思い描いても許されるのは幼少の時分だけで、大人になれば制約条件下における最適化問題を解くのが絶対的な是であり、それが良識だと思い込まされていく。


行動には厳しい制約があっても、思考は無限の広がりをもっていいはず。

その思考だけが、がんじがらめの制約をひとつひとつ紐解いていくというのに、その思考にさえ皆勝手に制約条件を課す。

改まってアンネ・フランクに触れずとも、己の心の臓に問いかければ絶対的な是はどちらか、わかるはずなのに。


以後、ブログだけでなく実社会でも、他人の脳に引っかかる“良識の外にある何か”を見いだして訴求できないかを意識して行動してきた。

人間が普遍に求めているものを提供するのがマーケティングの神髄ならば、その意識に基づいて組み立てられた戦略が、頂へ登る最短ルートの地図であることは論を待たない。


さて、このメダル無限増殖ネタ、当時はまだ一部機能していたため詳細は伏せていた。

しかし、もう5年も経過し、時効(?別に違法なことはしてないが)を迎えたと考えネタばらしをしてもよい頃かと。

実際今でも、サイトの検索ワードでボチボチ引っかけてアクセスいただいているので、賞味期限が切れたネタでもニーズがあるかと。


ブログのターゲットとはズレズレだが、たまにはね。