かつてメダル無限増殖が可能だった筐体は「セガ・ネットワークカジノクラブ(SNK)」。
当時SNK2からSNK3への移行期間だったからだろう、3ではアルゴリズムの変更が実施されていた。
SNKはひとつの筐体でいろいろなゲームが遊べたのだが、その中で致命的なアルゴリズム変更がなされたのが「テキサスホールデムポーカー」だった。
こういったメダルゲームは設定したペイアウト率を実現するため、相当に精巧なアルゴリズムが搭載されていると考えてしまうが、実はそうではない。
SNKのペイアウト率は、ゲームに勝利すると回せるスロットで調整していた。
設定が厳しい場合は1000枚や500枚などのジャックポットが出ずらいような確率テーブルになっているだけ。
したがって、肝心のカードゲームにおいては、相当雑なアルゴリズムになっていた。
セガの担当プログラマも、多少の穴があっても最後のスロットで帳尻を合わせられるため、気が緩んでいたのだろう。
攻略法は至ってシンプル。
SNK3は、胴元側のカードがさほど強くないとき、こちらがオールイン(賭けられる最大枚数をすべてかける)すると、機械的に降りるアルゴリズムだったのだ。
よって、通常の手以上の場合は普通に戦い、こちらにゴミ手が入ったらオールインする。
通常手では互角で、ゴミ手でも結構な確率で勝ちが拾える。
結果、筐体の設定を大幅に超える期待値を得られたのだった。
ちょっとしたテクニックがあるとメダルの増える速度が増すが、上記の攻略法を淡々と続けるだけで、最低の設定1でも絶対に負けない。
通常の設定3程度あれば、1日入り浸って1万枚は優に超える。
当時のメダルレートは100枚1000円だったので、10万円分のメダルを毎日増殖させることが出来た。
(※言うまでもないが、今はこの攻略法は使えないのであしからず。)
トレードの世界でも、このような完全必勝のバグのような状況が発生することがある。
ジェイコム男のごとく、その穴に気付き速攻で動いた者は、一瞬で巨万の富を得る。
トレードスクール生はじめ、複数のトレーダーからそんな話を、たまにはリアルタイムで教えてもらうことがある。
期待値基準のわずかな優位性に多数ベットし、忍耐強く収束を待つ我々システムトレーダーには、そもそもそういったバグが発生するという事象の認識自体が欠落している。
そんな状態でトレーダー人生を終えるのはつまらない。
必死に概念拡張を急ぐのはその一瞬の機会を逃さないため。
歌舞伎町で出会った埼玉在住のヤンキー諸君。
圧倒的な気付き、成長の糧をいただき感謝する。
おじさんは、きっとやるよ。