意識の無意識化は何度も経験済みなので比較的わかりやすい。
それに比べて無意識の意識化は文字通り意識しないと辿らないプロセスだろう。
意識の積み上げと反復による上達では、意識したチェックポイント以外の世界を垣間見ることができない欠点がある。
あらかじめ現実的な有限個のチェックポイントを与えられたとき、適切なトレーニングを踏めば誰もが一定のレベルまで到達できる。
問題は多くの人間がそこで成長が止まることだ。
さらに突き抜けるために、まずすべての所作を一度解体する。
そして、実は最初から無意識でできていた所作を見出して明示的にチェックポイント化、そこを改めて意識しながらトレーニングを積む。
つまり、誰もが無意識で伸ばしていない部分をトレーニングすることで、飛躍を果たすのだ。
無意識を重点的に意識したとき、きっと一時的にバランスを崩すだろう。
タイガーウッズもスイングを改良する際、一時的に結果が出ず、周りからスランプ扱いされた。
そして、表層的なアドバイスや問題点を方々から指摘された。
無意識との対話は誰にも理解されない孤独な作業だ。
常識のレベルを超えるとき、そこには自分しかいない。
その孤独に耐えて新たなチェックポイントを自分のものにしたとき、未知なる世界が開ける。
そこに絶対的な方法論はない。
ただ試行錯誤あるのみ。