
これから、軸となる銘柄の関連銘柄を観察していこうと考えている。
昨日の記事では会社四季報の“比較会社”の使用を提案してのだが、銘柄数が少ないのと、四季報の主観に依存するのもリスキーかと思い、別の観点で探せないか思案していた。
四季報の比較会社は、おそらく事業構造を選定基準にしているのだろう。
ビジネスモデルや収益構造、海外比率などを総合的に勘案して類似だと判断した銘柄を選んでいる。
基本に忠実なこの選定基準は当然押さえるべきだ。
だが、事業構造が似ていないのに連動して動く銘柄があるのも事実。
我々実践家は、理論から落とし込んでいくアプローチだけでなく、具象からの発見によるアプローチも大切にしていくべき。
アマゾンが先駆けたレコメンデーションエンジンは、今やあらゆる業界で活用されている。
商品間の共起確率の高い商品を“この商品を購入した方はこの商品も購入しています”とオススメされるシーンには、誰しも一度は出会っているはず。
株の世界でもそのエンジンは活用されており、有名なところではヤフーファイナンスが挙げられる。
今月TOPIX組み入れの目玉、“4526 理研ビタミン”を見てみよう。

画面下部に注目。
共起確率1位がキッコーマン、2位がニプロ、3位がリケンと続く。
ここで面白いと思ったのが3位の“6462 リケン”だ。
この銘柄は機械セクターであり、当然四季報では理研ビタミンの比較会社には出てこないし、資本関係も皆無だ。
なぜこんなことが起こるのだろうか?
恐らく、ヤフーファイナンスで“リケン”を検索したユーザが、検索結果リストに出現した“理研ビタミン”をクリックしたものと考えられる。

ただし、現実的にはリケンと理研ビタミンが連動して動くとは考えづらいため、このあたりは定性判断で除外していく必要があるだろう。
こんな感じで、四季報だけでなくレコメンデーションエンジンを使って、銘柄名や材料となるキーワードで連想を働かせて調べてみるといいだろう。
意外な、それでいて連動している銘柄ペアが見つかれば、その視点こそがトレーダーとしての固有性であり強力なエッジたり得る。
連想ゲームを楽しむ感じで、まずは気軽に取り組んでみてはいかがか?