

このブログでは、人間を凌駕するアルゴの脅威ばかりに注目しているが、実は最近、別の脅威も馬鹿に出来ないと感じている。
それは、個人トレーダーのレベルがかつてよりも上がってきていること。
彼らの技量の底上げを担っているであろう一般の投資関連書籍を読むにつけ、10年前と比較すると明らかに質が高くなっている。
10年前までは、著者の主観によるテクニカル分析や、ファクター効果の不明なバリュー投資手法が主流だった。
短期トレードにおいてまともに使える書籍は50冊に1冊くらいというのが正直な感想。
だが今は、グローバルな資金の流れを読むためにどのような情報源にあたるべきかを具体的に書いてあったり、外資系売買動向がなぜ日本の株式市場に影響を与えるのかを解説してあったりと、需給の本質に迫る内容が散見されるようになった。
当たり前の教科書がきちんと出揃ってきたため、平均的な水準の個人トレーダーが正しい方向に向かう指針を手に入れたといえる。
彼らが手強いのは、資金量や時間軸、トレード環境などが自分と似通っているため、真正面からバッティングするからだ。
そういう意味では、コロケーションから板の瞬間的な歪みを取るアルゴよりもやっかいだといえる。
まだシナリオトレーディングを体系立てて解説している書籍や情報商材などは見当たらないため優位性を保っていられるが、キャッチアップされるのも時間の問題だろう。(次期リリース予定の自分の新作教材で披露する予定でもあるし・・・。いつになるかは気分次第なので気長にお待ちを・・・。)
とはいえ、トレードに求めるものは、自分が前進している実感なのだから、周りのレベルアップはむしろ歓迎すべきこと。
常に後ろから追い立てられている方が、緊張感を持って取り組める。
“バレたらやばい”とたいしたことのないエッジをひた隠しにすればするほど、人間も小さくなるというもの。
ではみなさん、近い将来、遙かなる未踏の地で相まみえることを楽しみにしているぞ!