個人からの価値の提供は、Facebookの“いいね!”やブログへのコメントなどライトなものから、青空文庫や個人のノウハウなど有料級の情報配信まで、レイヤーは幅広い。
そこから“いいね返し”やブログのUU/PV、メルマガのクリックレートなどのフィードバックが得られる。
これまで精神論で展開され、腑に落とすのが難しかった価値提供の評価が、定量的に可視化され、かつ即時に返ってくる。
評価指標の可視化は、それを教師信号とした我々のニューラルネットワークの最適化学習の軽易化を意味する。
さらに重要な点としては、個人間の価値交換が非貨幣経済圏で行われていることだ。
非貨幣経済圏での価値交換は特別なことではなく、かつての日本では当たり前のように目にできた光景。
細田守監督のアニメ「おおかみこどもの雨と雪」には、雨と雪の母親である主人公の花が都市を離れて山奥の田舎で過ごすシーンがある。
自活するため畑を耕すのだが、村の気難しい老人に「もっと畑を広くしろ」といわれる。
「2人の子どもと自分の3人だけなのでこのくらいでいい」と主張する花に対して、老人は頑なに畑の拡張を指示した。
収穫期、大量の野菜を持て余した花は必然、村の人々におすそ分けして回ることになった。
お返しとして米やイモなど、自分の畑では収穫できない食糧を抱えきれないくらい手にする。
子供がオオカミということで、都市では排他的な扱いを受け続けてきた花が見せる満面の笑顔。
ここにいたり、花は老人の言葉の意味を悟るのだった。
「おおかみこどもの雨と雪」の大ヒットの要因は、本来あるべき価値提供への回帰を望む我々の原点がそこに描かれていたからなのかもしれない。
フリーミアム経済で富をなすための絶対原則は、相手が望む価値を察し、妥協なくその価値を創造し、相手に先んじて提供すること。
もしこのフリーミアム経済の拡大が花のような気づきを得る機会の増大を意味するならば?
希望を持ちつつ今日も渾身の記事を投稿していく。