

レスポンストレード向けシナリオの毎日の書き込みを生徒に課して1週間。
会計の知識がある生徒や稼ぎの武器を持っている生徒はそつなく順応している感じ。
一方で、株の初心者や株価の最適化しかやってこなかったシステムトレーダーの生徒などは相当苦しんでいる様子が垣間見えた。
“負ののれん”、“繰延税金資産”、“IFRS”などの言葉が出てきても、即理解するのはきついだろう。
だが、そんな彼らも、事前に講義した必要十分な要素を書き出すフォーマットに従って、シナリオをそれっぽく書いている。
自分も調査できなかった銘柄に対するフレッシュな視点はとても勉強になる。
最終的な売買に到る思考のフレームワークを共有することは、トレーダーとして成長するには極めて有用である。
通常、初見のトレーダー同士で具体的な手法を題材とした深い議論は成立しづらい。
相互信頼がないからではなく、考え方のベースが揃っていないため、うまくかみ合わないのだ。
結果的に、オフ会で隣に座って意気投合しても議論が深まらず、メンタルや儲けの額、リーマンショックなどの昔話などで盛り上がるしかなくなる。
レベルの高い人ほどフラストレーションが溜まり、結果、他のトレーダーを遠ざけ自分との対話に引き籠もってしまう。
実にもったいない。
コンサルティングの仕事は、1つの体系だったフレームワークをクライアントと共有するところからスタートする。
状況によってはコンペ段階で提示することさえある。
それだけ思考体系の共有化は重要なのだ。
組織化されたヘッジファンドなら、そういう環境も整備されているかもしれないが、個人トレーダーが求めるの絶望的といっていい。
逆に言えば、フレームワークを共有化した者同士の知の交換が実現できたなら、高速の成長を遂げ、他を圧倒するトレードスキルを身につけられるだろう。
仮需定性のカリキュラムではマーケターの顔、実需定量のカリキュラムではデータサイエンティストの顔、そしてカリキュラムの学習効率を最大限高めるために見せるコンサルタントの顔。
生徒のみんなが気づいてくれているかどうか不安だったので、聞かれもしないのに自分で言ってみた次第。
表だっては話さないこの裏メニューを身につければ、卒業後も引き続き高速成長の環境を自分で構築できるだろう。
難易度はかなり高いが、そんな視点で講義や相互のコミュニケーションを見ていれば、いろいろ気付きがあるかもよ。
「トレードスクール」だからトレードだけに視野を拘束されるのはもったいない。
スクールのコストパフォーマンスを高めるのは自分次第なのだから、常に気づく意識は忘れずに。