

先日の検証チームの飲み会で気付きを得た。
「圧倒的な利益を得るには、圧倒的なリスクを引き受ける必要がある」
当たり前のこの事実が、本日ビビッと体中を駆け巡った。
自分に決定的に足りなかった思考はこれだったのかと。
システムトレードが基本の自分は、累積損益曲線は直線に近ければ近いほど良いと、長年考えてきた。
累積損益曲線に単回帰直線を当てはめ、決定係数が1に近づけば近づくほど、ひとり密かにほくそ笑む。
もちろんそれは、今のスキルがあれば、検証上も実務上も実現可能である。
しかし、この累積損益曲線のなめらかさを最重要評価指標とした場合、エリートサラリーマンの給料に毛が生えた程度の月収で行き詰まる。
自分が目指しているのはそんなところではない。
そんなところではないのだが、長年この評価指標に向かってトレーニングされた頭脳は、なめらかな累積損益曲線のまま、角度だけを急勾配にしようとしてしまうのだ。
そんなことはありえない。
累積損益曲線がなめらかであることは、投機の原理原則に反しているのだから。
投機家の利益の源泉はリスクだ。
すなわち、他の主体が忌避する過大なボラティリティの受け皿になる対価として報酬が支払われる。
それが投機家の仕事の本質。
ならば我々の仕事の評価は、引き受けたボラティリティの程度でなされるべき。
期待値でも勝率でもシャープレシオでもなく、日々の損益のボラティリティによってである。
体幹からその当たり前の事実に気がついた。
あとは実践あるのみ。
日々の損益変動を観察し、事前想定より小さければより過大なリスクを取るため、変動の大きな銘柄を優先的に選択したり、ベットする金額を上乗せする。
過去最高の損失が出たその日は、トレーダーとしての器が拡張された記念すべき良き日として、盆と正月が一緒に来たようなお祝いをしよう!
ククク・・・狂気の沙汰ほど面白い!