日本の株式市場の相場感を捉える:日経平均寄与率(寄与度)上位銘柄の観察

投資関連雑誌に夕凪さんが書かれてあった、勝つトレーダーと負けるトレーダーの違いが興味深かった。

アンケートデータの引用から、一番の違いは“全体の相場感を意識しているか否か”だった。


全体の相場感をどのように捕捉するかは人それぞれだと思うが、勝つトレーダーの多くは、今相場が強いのか弱いのか、どの程度の水準にあるのか、目先の動きはどうなるのかのイメージを持っている。


確かに、かつてデータマイニングツールでの最適化に陥っていた自分を振り返るに、売買対象の個別銘柄や、明日の寄り引けの勝率、期待値にしか目が行っていなかった。

株デビューの今年前半でも、日経平均を眺めはしていたが、それを自分が売買する個別銘柄に紐付けて考えてはいなかったように思う。


今も試行錯誤の段階で、日経平均先物のチャートリーディングや関連指標を中心に、勘所を探っているところ。


最近見始めたのが、日経平均寄与率上位3銘柄の「9983 ファーストリテイリング」、「9984 ソフトバンク」、「6954 ファナック」のチャート。

本日2014年12月3日終値ベースの寄与率を計算してみた。

日経平均寄与度計算
※計算式は当該株価×除数÷日経平均。
※ソフトバンクは見なし額面が50/3のため、3倍で計算する。


225銘柄で構成される日経平均も、ファーストリテイリング1銘柄で約10%、上位3銘柄で約20%が説明される。

したがって、この3銘柄が強ければ日経平均も崩れづらいだろうし、弱ければ日経平均も早晩崩れるだろうと考えられる。


逆にこの偏りを利用して、上位3銘柄をコントロールすれば短期的な相場形成も可能であり、そのような主体の存在の仮定を置くのは、あながち非合理ではないだろう。

わかりやすい例では、手持ちのオプションをSQに向けてストライクプライスに持って行くなど。


したがって、寄与率上位3銘柄の観察により、ウェイトの高い構成要素としての側面と、超巨大な主体の意思の側面という両面から相場全体を捉えられると考える。


現段階の相場感は、他の指標的には一杯一杯で上値を追える状況ではないのだが、3銘柄のチャートは結構な強さを見せている。

いわば、冥王ハーデスは下界に降りたがっているのだが、ミーノス、アイアコス、ラダマンティスの冥界三巨頭が全力で止めにいっているといった感じか。


総合判断としては下落リスクに備え、少しずつヘッジを厚くしている状況。


さて、この年末相場に向けての我が相場感。

吉と出るか凶と出るか。