ジブリの法則は検証に値するか:株、為替の損益、ボラティリティへの影響

株式投資関連キーワード

株式市場だけでなく、為替相場でもまことしやかに語られている「ジブリの法則」。

金曜ロードショーでスタジオジブリの作品が放送されると、その日のニューヨーク証券取引所や為替相場のボラティリティが上昇し、また翌週の日経平均が下落するという。


直感的にはほとんど都市伝説に近いアノマリーだが、実際のところはどうだろう。

他のサイトで検証されていたので、それを参考にして考えてみる。


まず為替相場だが、「ゴールドコラム&特集:「ジブリの法則」という金融市場の都市伝説」によると、2008年以降、放送当日の値幅は0.89円なのに対して、全営業日では1.01円だった。

最終的にジブリの法則は確認できないと結論付けられている。


このジブリの法則がもっともらしく語られる背景には、毎月第一金曜日に発表される米国雇用統計の存在がある。

この指標発表は為替トレードをやっている者なら誰もが知る最も有名なものであり、事前予測がなかなか当たらないことでも有名だ。

したがって、発表と同時にボラタイルな相場になることもしばしば。


それを加味してもジブリの法則は発動しないようなので、文字通り都市伝説といっていいのだろう。


次に日経平均であるが、「ZUU Online:『千と千尋の神隠し』金曜日にジブリが公開されると週明けの株価は大荒れ?株式アノマリーを徹底検証」によると、2013年以降の14回の金曜終値から翌週終値において、下落した回数はちょうど半分の7回。

平均損益を取ると-28円。

多少下げの方向に圧力がかかっているように感じるが、月曜は日中下げる傾向があるため、それを補正するとどうかというところ。


ということで特に深掘りしたいと思わせるアノマリーではないので、判断は読者にお任せする。


ちなみに最新の放送は「千と千尋の神隠し」で2014年11月21日。

日経平均先物では、11月21日(金)終値17380円→11月25日(月)始値17500円なり。