2014年5月15日にリリースされたリブセンスの決算短信が一部で話題になっている。
ひとつは株価が急落してストップ安になったこと。
こういった事象は特に珍しいことではないので割愛。
注目を浴びたのは、リブセンスのビジネスモデルが、Googleの検索エンジンアルゴリズム依存の脆弱性を持つ事実が明るみに出たことだ。
リブセンスは成功報酬型の求人情報サイトという業界の常識を覆すビジネスモデルと同時に、社長の村上太一氏が史上最年少で東証一部に上場した話題性と相まって、一躍時代の寵児となった。
だが、ここに来ての業績の急激な悪化は、Googleにおける検索ワード「アルバイト」で9ページ目、「求人」で4ページ目と、事実上サイトが存在していないに等しい順位にまで急降下した事象と符合する。
検索エンジンのランキングは、そのアルゴリズム変更時に大きく変動する。
特に、パンダアップデート、ペンギンアップデート、ハミングバードアップデートなど、同社のWEBスパムチームの最高責任者であるマット・カッツ氏の発言に、後ろめたいSEO対策を施している企業は戦々恐々としているだろう。
同社のランキング急落はおそらく、リンクファームと呼ばれる、膨大な被リンクをお金で買うSEO対策に対してネガティブに反応するアルゴリズムへの変更が主要因だと考えられる。
リブセンスもそのSEO対策により、かつては上位ランクを維持して集客していたのだとするならば、自業自得としか言いようがない。
村上氏もいづれこの時が来ると予感していたはずだ。
本来検索エンジンとは、検索したユーザが望むコンテンツが上位に表示されるべきで、意味のない膨大なリンクが張られているサイトが上位に表示されてはならないのだ。
リブセンスはそのGoogle八分同様の状況に陥り、苦肉の策として他の媒体に多額の広告宣伝費をかけて売り上げを維持したため、必然、利益が大幅に圧縮されてしまった。
読者が長期でポジションを持つ投資スタイルなのであれば、投資対象企業が収益を検索エンジンにどの程度依存しているのか、主要キーワードのランキングは何位か、その順位に見合う良質なコンテンツをサイトが備えているか、など、21世紀ならではのスクリーニング条件をかけることをお勧めする。