自分のトレードのバックテストをせよ:スキル向上のために経験の濃度を引き上げる

決算レジームスケジュール

「自分が関与していないデータのバックテストではなく、自分が強く関与したトレードのバックテストをせよ」

件のブログにこんな趣旨の記述があった。


日々蓄積される経験値がそのトレーダーのスキルを向上させる。

経験値=経験した時間×経験の濃度

なのだから、後者の経験の濃度を高めるには、自分が身銭を切って関与したトレードこそきちんと振り返るべきだと。


せっかく長時間神経をすり減らして身銭をリスクに晒しているのに、振り返りの時間を持たなければ経験値は積み上がらない。


終わったトレードを振り返ること、特に負けたトレードを見返すのは苦痛だ。

出来ればきれいさっぱり忘れて、フレッシュな頭で次のトレードの準備をしたくなる。


だが、それを怠ると、自分のトレードがどのような損益の出方をするのかがわからず、常に希望的観測で日々の損益に一喜一憂してしまう。


ということで今月の昨日までの損益を見てみると、日ベースの勝率では8勝8敗だった。

負けの心理的効用は勝ちのそれの2.5倍なので、気持ちの上では負けている感覚になる。


しかし、累積リターンは+7%を超えていた。

日々やるべきことを続けていれば、日々の感覚に反してきちんと利益が積み上がっていくのだ。


日ベースの勝率50%という数字は、自分的には悪くないと感じている。

もちろん勝率を上げる技術は持ち合わせているが、そうすると損益の天井がすぐにきてしまうことがわかっている。


心理的負荷を負わない代わりに、得るべき利益を差し出す。

どう考えても本末転倒だろう。


また、負の効用の方が大きいことから、常にメンタルを鍛えるための課題を与えて貰える。

ぐったりきたときでも、きちんと準備を行い、翌日ゼロベースでトレードに臨むにはどうしたらよいか。


瞑想や筋トレ、他者とのコミュニケーションを含めた、全人的な完成度が求められる。

最終的に目指しているのは、目先の小銭拾いではなく、洗練された人間になることなのだから、常に自分に負荷がかかる状況は、自分への問いかけのためのよき環境となる。


読者も、二度と戻ってこないこの一日を、あるべき自分へ向かう糧とすべく、全数検索最適化に逃げず、自分のトレードの結果のバックテストに視点を向けてみよう。

さすれば、シャープレシオを0.1引き上げるよりも、得がたき経験値がきっと積み上がるはず。