

深夜、目が覚めるようになった。
不確実な未来に飛び込むとは、かくも恐怖に覆い尽くされるものなのか・・・。
業務委託契約を5月一杯で終了してもらうよう委託先に申し入れ、5月1日了承された。
本来は6月までの契約で、委託先にもパフォーマンスは認めてもらっていたため、その後も長期継続契約の予定だった。
当面は安定収入を確保しつつ、シストレとネットビジネスに磨きをかけ、目途が立ったら労働者人生を終える、そんな“賢明な”計画を破り捨てた。
消える年収は約1000万。
時間はさかのぼりスクール第一講、第三者的視点で自分を客観的に見る重要性を説く。
講義終了後、ふとスクールで教えを説いている自分と生徒との関係を第三者的視点で見てみた。
そこにはあまりにも滑稽な自分の姿があった。
トレードに人生を賭け自立したトレーダーを本気で目指している生徒達に対し、正社員ではないとはいえ実質的には企業に依存し安全圏から説教を垂れる自分。
社会に依存した人間が、社会からの自立を目指す人間を導こうとしている。
笑いさえ込み上げてくるこの構図。
あまりの情けなさと同時に、自分は何者になりたいのかを改めて考えた。
今まで見えなかったトレーダーとしての目的が、あっさり見つかった。
「真に自立した個人トレーダーのロールモデルになる!」
これまで何度か、自分が目指すべき個人トレーダーのロールモデルがいないと嘆いていた。
何のことはない、ならば自分がそう思われるトレーダーになればいいのだ。
理想のロールモデルをイメージしたとき、備えるべき最優先の要件は、社会からの“個としての自立”で間違いない。
恐怖で決断が鈍らぬうちに、本当によくしてもらっていた委託先のマネージャーに5分だけといって、時間をいただいた。