続いて検証手順解説。
メンバーのエクセル操作のスキルに差があるため、できるだけ簡易な手順で検証できる形式を心がけて作った。
作業自体はほぼコピペで完了する。
事前にデータと戯れながら作業を行うようにとレクチャーしたのだが、多くのメンバーはただのコピペ作業に終始してしまった。
これは非常にもったいない。
時代の変遷とともに人間の業務領域を機械が浸食してきており、現代はその流れがより一層加速している。
読者がブラック企業で低賃金にあえいでいるのであれば、今一度“その業務は自分でなければならないか”を問い直そう。
誰でもできる、場合によってはプログラムを組めばワンクリックで済むような作業をメインの業務にしている人は、残念ながらさらなる労働強化が待っている。
トレードにおいても発注システムの充実や回線速度の向上、HFTによるアルゴリズム売買の台頭などにより、長年「時間のサヤ」を人力で抜いてきた手練れのトレーダーが“無能の人”になり下がったと聞く。
冷酷なようだが、彼の卓越した職人技術は、彼のみに帰属する唯一無二の技術ではなく、機械によって容易に代替されうる代物だったのだ。
人間にできて機械にできない領域は存在するのか?
究極の哲学にも似た問いに、いまだ人類は答えを出せずにいる。
皮肉なことに人間の業務領域を浸食する文明の発展によって、人類はその答えに一歩ずつ歩み寄っている。
トレードにおける“人間にできて機械にできない領域”。
少なくともコピペ作業はその領域にはないことは自明だ。
本気でエッジの効いたトレードシステムを構築したいのなら、人間の、そして己自身にしか備わっていない優位性とは何かを常に問いかけながら検証作業を行おう。
集合知トレーディング第0期レビュー:新たなシステムトレードの造形(3)
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