

人間にできて機械にできないことは何か?
長くトレーダーとして生き残りたければ、この問いに明確に答えきれなければならない。
言語学者で認知心理学者のスティーブン・ピンカーは、著書『言語を生み出す本能』の中で次のように記している。
“35年に及ぶAI研究で判明したのは、難しい問題が容易で容易な問題が難しいということである。我々が当然なものとみなしている4歳児の心的能力、すなわち顔を識別したり、鉛筆を持ち上げたり、部屋を歩き回ったり、質問に答えたりといったこと(をAIで実現すること)は、かつてないほど難しい工学上の問題を解決することになる。…新世代の知的機械が登場したとき、職を失う危険があるのは証券アナリストや石油化学技師や仮釈放決定委員会のメンバーなどになるだろう。庭師や受付係や料理人といった職業は当分の間安泰である。”
機械が組み合わせ最適化問題を解いて、史上最強のチェスプレイヤーであるガルリ・カスパロフを倒せたのだから、4歳児の所作は容易に模倣できると考えるのは自然だ。
しかし一方で人工知能学者は、単純ながれき処理のためのロボットをフクシマに送り込めなかった事実を悔やむ。
目的に対するインセンティブの違いもあるが、そもそも人間が無意識かつ容易に出来る所作を機械で実現するのは想像以上に困難であったのだ。
その事実を、“伝統的な前提に反して、高度な推論よりも感覚運動スキルの方が多くの計算資源を要する”と1980年代にハンス・モラベックが表したことから、「モラベックのパラドックス」と呼ばれる。
十数億年のオーダーで突然変異と自然淘汰および環境適応を経てデザインされた生命のスキルは、ここ10万年程度で発展してきた抽象思考よりも遙かに深淵かつ重厚であるということ。
抽象思考はプログラミングと相性がよいためリバースエンジニアリングが容易であるが、生命の感覚スキルは表層的なデータに表れない認識の外にある空間や未知なる未来をも予見するため、模倣のためのキッカケを掴むことさえ困難だ。
自分はコンサルタントとして、徹底的な抽象思考を身につけることで、他の労働者との圧倒的な差異を生み出してきた。
しかしモラベックのパラドックスは、その長年かけて身につけた血と涙と努力の結晶たる高度な抽象化のスキルを無に帰そうと働きかける。
ならば今、今こそ10万年の歴史の遙か向こう側に足を踏み入れるべきとき。
生命にしか持ち得ない身体による感覚スキル呼び覚ます。
人間にできて機械にできないことは何か?
その問いに対する明確な答えを手にするために。
【トレードスクール第七期開催への道:BMI23=体重71kg目標】
体重:77.3kg
食事:朝:パン4切れ、チョコ4粒 昼:コーヒー1杯 夜:おにぎり1個、パン1個、野菜2袋、しらたき1袋、こんにゃく1袋、きゅうり2本
運動:腹筋:20回×3セット 腕立て伏せ:20回×3セット
体重貯金があるうちに、炭水化物との付き合い方を模索する。
だが、パンやおにぎりのような炭水化物の塊は血糖値を急激に上げるため、集中力が落ち、さらに眠くなる・・・。
普段は極力摂取しない方が無難か。
おお~、今日のブログは特別すごいですね。唸りました。
あと何年、マーケットに収益機会は残ってるのかな、とよく考えます。10年は大丈夫そうですが、30年後は相当厳しそう? 2045年問題とか聞きますし・・・
最悪、景気循環は消えないだろうからバリュー投資みたいな利回りでもやっていけるだけの資産をなるべく早いうちに作らないと、という危機感はあります。バリュー効果自体、証券アナリストと一緒に消えるかもしれませんが。
一方で、機械による労働の範囲が広がっていけば恒常的なデフレ圧力がかかり、それは人類が単純労働から解放されて古代ギリシャ市民のようになることを意味するのかな、とも思えます。
いずれにせよ、インフレ率が趨勢的に低下し各国中銀が必死に金融緩和をやっている今の時代が稼ぎ時ですね!
中原さん
こんにちは。
最終的には機械と人間はよい関係で共存するとは思っています。
ただ、その過渡期において、固有性なき人間にはつらい思いをするでしょう。
今はその過渡期への入り口であり、収束にどの程度の時間を要するかは誰にもわかりません。
なので、必死に己のオリジナリティを磨き続ける必要があるのだと思います。
相場はバブリーな様相を呈してきたので、是非一緒にこのビッグウェーブに乗りましょう!
なるほど、腑に落ちました。過渡期において99%の側にいてはつらい。非常に明快な答えですね。
幅広い知識と先々への見通しを持っていらっしゃる渾身さんへのリスペクトが止みません…!
このブログに辿り着いて本当に良かった。今後ともトレードだけでなく様々なことを学ばせていただきます。
あくまで一個人の主観に過ぎないので、真に受けずに自分なりに将来の見通しを立ててみてください。
自分で考える人間の未来は明るいと思いますよ!