

例のDRMの天才青年から毎日送られてくる音声が、ガンガン脳内に響いている。
曰く、
“商売に関わる要素は無数にある。だがその要素の重要性には大きな差がある。ならば最も重要性の高い要素に一点突破でエネルギーを傾けるべきだ。情報ビジネスで最も重要性が高いのは、間違いなくコンテンツである。”
加えて曰く、
“新しい商売を始めるときは誰しも初心者。ならばどの要素の難易度も同じ。難易度が同じであれば、難易度を手がかりに取り組む要素を決めるのはナンセンス。したがって重要度の見極めに時間をかけ、見極めたら一点突破で一気呵成に深く掘れ。”
今、自分は天衣無縫のトレードスタイルを目指している。
トレードは売ると買うというふたつのジャッジのみでありながら、学ぶべき要素は無限に存在する。
現段階において、自分のトレード技術向上に向け、下記のふたつの要素のかけ算をイメージしている。
①期待値の優位性判定能力×②未知のパターン認識能力
①はこれまで15年間かけて取り組んできたし、データサイエンティストとして確立した知識発見の方法論を持っている。
したがって、今の評価値としては下記のようになるだろう。
①:0.9 × ②:0.1
ここから①に磨きをかけても、限界収穫低減の法則に従い、投下した時間や労力に見合うリターンは期待できない。
必然、②の未知のパターン認識能力の鍛錬が最も評価値を高める行為となる。
パターン認識能力は、ひたすら質の高いデータとその教師信号のインプットによって鍛えられる。
頻度主義に基づく機械学習を研究してきた大学院時代のノウハウがここで活きる。
よって、まず①によって優位性の高いユニバースを選定する。
そのユニバース内の銘柄が持つチャートデータをしっかりと受け止め、優位性の高いパターンを見いだすトレーニングをひたすら繰り返す。
体感として技術が向上していく日々は充実感がある。
福本漫画の無頼伝涯の中に、涯があばらやで毎日パンチの練習をする場面がある。
端から見ると無意味な、そんな日々に、彼は生まれて初めて充足のときを見る。
まさにそんな感覚だ。
他人の利害や思惑に脊髄反射するのではなく、自分の感覚に正直に反応する。
幸福の追求は実にシンプルだ。
要素の見極めは終わった。
今日も一点突破で一気呵成に深く掘ろう。