イシューを定めよ:最適化作業は5%、では60%の説明力を持つファクターは?

ドラキマジック

限られた時間を何に投下するべきか。

サラリーマンに戻った以上、特に意識していかなければならない。

逆に時間がないからこそ意識が先鋭化して、専業の頃よりもパフォーマンスを上げることさえ不可能ではないと本気で思っている。


トレードにおいては、株価を説明するファクターのうち、何が最も説明力があるかを考える。

それがわかれば、最も説明力の高いファクターに一点集中していけばいい。


今の自分なりの仮説は、何度も書いているように“日本株への資金流入、流出状況”だと考えている。

日本株に資金が入ってきているならば買えばいいし、抜けていっているのであれば売ればいい。


過去のデータに最適化されたシステムとの比較においては、圧倒的に資金の流れの方が説明力が高いと感じている。


10年以上ヒストリカルデータの最適化作業をやってきた経験からすると、株価データに含まれている株価変動を説明する情報量は5%程度。

一方で日本株への資金の流れは、最低でも60%はあるのではないだろうか。


もしそうだとするならば、前者を80%極める(5%×80%=4%)より、後者を10%(60%×10%=6%)理解する方が、株価変動への本質に迫れる。

かつ、限界収穫逓減の法則に従えば、断然後者の方が楽だ。


基本をしっかり抑えれば、ものの半年で60%くらいは理解できるだろうから、株価変動の36%、すなわち、最適化技術を完全に極めるよりも遙かなる高みに登れるだろう。


中途半端にデータマイニングの技術があるゆえに、相当な回り道をしたものだと思う。

しかし、10年もの長きにわたって無駄な作業をしたからこそ、無駄が無駄だと理解でき、無駄でない有益なものが何かを見極める目が養えたのかもしれない。


今、検証ツールをがガリガリ回して過去のデータに最適化し、未来の実トレードで損をしているシステムトレーダーのみなさん。

とりあえず、3年くらいはとことん突き詰めてみるといいと思う。


続けていれば、いつか自分なりに腑に落ちるときがくるだろう。

そのとき再度、株価変動に対する説明力の最も高いファクターは何かを考え抜けば、自ずと答えが出るはず。