たびたび話題にしていたネオヒルズ族。
その本尊である与沢翼氏が2014年4月26日、事実上の破綻を宣言した。
「ご報告」
スクールの「現代マネタイズエンジン構築法」で触れた直後だったので、自分なりの見解を示してみる。
彼の取り組みには功罪ある。
功の部分は、「プロダクトローンチ」と呼ばれる革命的なセールス手法を、自らの実践を通して日本に広めたこと。
ジェフ・ウォーカーが開発したこの手法は、極めれば数日間で億単位の売り上げをもたらすことさえ可能とされる。
原理的にはインターネットに接続されたパソコン一台で実現可能であるため、結果、多くの若きネットビジネス長者を生み出した。
未来の希望が見えず、勝負するための元手さえ持てない若者に一筋の光をもたらしたプロダクトローンチ。
その成功に合わせ、戦略的にきらびやかな演出をかけて登場した与沢氏。
ネットバブル期のヒルズ族、堀江貴文氏の類型として、ネオヒルズ族を自ら名乗った。
初動の彼は、ブログで経営哲学をはじめとした価値ある情報をもって、後進の若者に生きるとは何たるかを語りかけていた。
10代で逮捕され、無学から早稲田大学へ進学、自らが経営するアパレル会社の拡大と破綻、そして空手からの復活劇。
抑圧され搾取され疲弊しきった若者達には、このビルドゥングスロマンはスポンジが水を吸うがごとく染み渡ったことだろう。
結果として彼に共感した人々が列をなし、高額な教材を購入していった。
ここまでは何の問題もない。
自らの労力で創造した価値を提供し、蓄積した信用をマネタイズした末に得た富だからだ。
では、罪の側面は何だったのか。
彼はなぜ破綻したのか。
同様のアナロジー、「価値」、「信用」、「マネタイズ」を用いて考えてみる。