6月15日、「魔法少女まどか☆マギカ」の中華圏向けスマホゲームリリース発表を皮切りに、マイネットとの業務提携契約やVR関連の米ゲーム会社への出資など、矢継ぎ早に仕掛けを打ってきたモブキャスト。
スマホ関連に加えてLINE関連銘柄でもあるため、LINE上場の思惑なども相まって、株価は6月16日より断続的に買いが入り、400円から1000円超まで急上昇した。
だが、6月21日の1020円を最後に株価は下落を続け、今日現在で600円まで値を戻す展開に。
自分が業界人なので、主だったソシャゲ会社の体質はだいたい把握している。
そもそもいろんな会社から今の会社に転職してきている人間も多数いるので、彼らから内部事情などもつまびらかに聞いていたりする。
まあ、前職に不満があって転職してきているわけだから、よい話をする者は少ないが、それでも相対的な会社の体質はだいたいわかる。
で、モブキャストだが、そもそものゲーム開発能力は「モンスターダッシュ」を見てわかるように、それほど高くはない。
「18(エイティーン)」は多少遊べるレベルにあったが、それでも売り上げランキングトップ100を下回る程度。
なにより、その時期の人材がかなり流出しているため、ゲームの楽しさの本質を知るクリエイター不在の状況がかなりきつい。
平成27年12月期の営業キャッシュフローがマイナスに転じているのは、外部環境の問題ではなく、かような内部環境の悪化が原因である。
株価は過去ではなく将来を織り込みにいくのだから、実態が期待を下回れば、期待分は当然剥がれる。
今回の一連のリリースは逆に、自社内のリソース不足を外部の力を借りて補おうとする内情を如実に表現しているともいえよう。
また、体育会系のノリは対外的な印象としては悪くないのだが、それが業績に結びつかない以上、社員の士気は上がってこない。
業界の軸足がネイティブアプリに移行して、ユーザの目もかなり肥えてきている。
張りボテはすぐに見抜かれる。
モブキャストが虚か実か。
今期中に審判がくだされることだろう。