07.突撃!歌舞伎町
指定のゲーセン前で待ち合わせ時間まで少し時間を潰して、携帯をかけてみました。
- もしもし、今ゲーセン前にいます。
「あーそうですか。こっちは○○○(ゲームの名前)に座ってます。○○○わかります?」
- 見たことはありますので、探してみます。
「わかりました。待ってます。」
多少のドスは効いていましたが対応はいたって普通。しかし、一流の詐欺師やヤ○ザは逆に紳士的なものですから、油断は禁物。ちなみに謝礼以外の貴重品や個人を特定できるモノなどは極力家においてきています。
ということで、指定されたゲームを探すと・・・いました。
たしかに2人がゲーム機に向かって(私に背を向けて)座っていました。ひとりは茶色の革ジャンに黒のジーパン、腰にはジャラジャラとなにやらチェーン的なものが。グラデーションの金髪の形状はソフトモヒカンと整ったヒゲ、おきまりのシャドーのかかったグラサン・・。その横に、ゴスペラーズのリーダー的な風貌の若者・・。
場所は歌舞伎町、話はいかがわしく、加えてこのビジュアルの二人組・・。歩を進めるのを一瞬ためらいましたが、「俺は男だ!」と心の中で吉川君に語りかけ、いざというときに逃げるルートを再度確認の後、彼らの元へ・・。
- こんにちは、KonSinです。
「あーども、今日はよろしくお願いします。」
金髪の男性の方が対応してくれ、年のころは20代後半くらいで、おそらくチームのリーダーでしょう。もう一人は振り向くこともなく、今回のターゲットのゲームを黙々とやっています。
「じゃあ、とりあえず僕がやっているのを見ていてください。」
- あ、はい、了解です。
「この封筒に攻略法の詳細が入ってます。」
ということで、おもむろに私に封筒を渡し、ゲームを解説しながらプレイし始めました。ゲーム自体はわかっているのですが、それなりに手順があるようです。
「1,000円分(100枚)メダルを借りて、今二人で1,000枚超えてきました。」
- おーすごいですねぇ。
とはいえ、その増えているプロセスを見ていたわけではないので、事前に仕込んでいた可能性もあります。
- とりあえず理解してから再度指南してくれますか。
「いいっすよ。」
隣の同じゲーム筐体で詳細用紙を3色ボールペンで色分けしながら理解を深め、横目でプレイを眺めます。ある程度意図的に時間をかけて読み込み指南してもらうまでの時間をかせぎ、本当に増えるかをチェックです。
現状維持でお金を請求してくるようなら怪しいだろうとおもっていたのですが、お金のことは一切口にせず、1時間後には2人で2,000枚近くまできました。
それを確認の後、自分もゲームをやらせてもらい後ろでアドバイスを受けました。手順はだんだんと理解してきましたが、さほど増えているわけではありません。
すると、そのタイミングで、
「そろそろ地元に帰らなきゃいけない時間なんですが・・。」
暗に今回の謝礼を請求しているようです。
さてさて、どうしますか。